それはいつも唐突に




「おはよう」
歌う様な軽やかさを含んだ声。
声に振り向けば、それに似合いの爽やかな笑み。
朝の澄んだ空気に違和感なく溶け込む男の髪は曇り空を思わせる。
それに反して、瞳は晴れ渡る青空を思わせた。
「………何をしてるんだ、と尋ねるべきか?」
「それはご自由に」
「…何をしてるんだ、こんな朝っぱらから」
住まわせて貰っている身で言うのもあれだが、ここは日向家の庭であり、男に取って他人様の敷地内だ。
昼夜関係なく、無断で入り込めば不法侵入で訴えられても可笑しくはない。
いや、実際はこの男に想いを寄せる少女がそんな事をする可能性は等しく0なのだが。

「今日はギロロをデートに誘いに来たんだ」

双眸を細め、更に笑みを深めた男の言葉に、出て来たばかりのテントの中へと戻りたくなったのは仕方のない事だ、と主張したい。
しかし、それを行動に移すよりも早く、男の左手に右手を攫われる。
手首を包む手のひらは思いの外温かい。
大人と子供の狭間に立つ男の子供の部分の比率が勝ち、前面に押し出される。
浮かべる笑みすら、より邪気のないものの様に思えて、頭を抱えたくなった。





【白む空の下、君を誘いに】



(遊園地?動物園?水族館?)
(………もう、好きにしてくれ)



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