(M+黄)


夜は彼の味方だった。月明かりも星の囁きも闇すら彼の味方だった。彼の髪は月明かりを帯びて輝き、星はそれを彩る。闇を纏う姿は何処か儚く、それでいて彼は闇に飲まれることはない。彼は夜を愛していた。そしてまた夜も彼を愛していた。それは決して揺るがない、世界の真理に近しいものだと心の何処かで思っていた。ひそりと闇に溶け込むことを得意とする彼は、夜に守られているのだ、と。太陽が沈む間、誰ひとり彼を傷付けることは出来ないのだ、と心の何処かで思っていたのだ。
(それがどれほど愚かかも知らず)




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