どうかやさしい
あなたさま





(※暗殺者パロ)



赤い髪は不吉と言われた。
赤は畏怖を抱かせる、と。
悪魔と罵る者もいた。
石を投げられ、侮蔑を吐かれた。

「何が足りないんでしょうか?」
「覚悟、とでも申しましょうか」
「覚悟?人を殺す為のですか?」
「いえ、それをも背負って生きる覚悟です」

母も父も亡かった。
悲しいとは思わなかった。
唯、胸にぽっかりと穴が空いていた。

「難しい事ですか?」
「そうですな、簡単では無いかと」
「俺には無理だと思いますか?」
「…本音を申しますと、背負って欲しいとは思いません」
「それは肯定と否定、どちらですか?」
「どちらとも、です」
「…そう、ですか」

神に祈る事は無かった。
真似事も極力避けて、十字架を嫌った。
祈れば潰れてしまう、そう思った。
祈る神は要らない、依存が何より恐ろしかった。
元から持ち得て居なければ、無くす事も無い。
大切な物なんて無かった。

「神父様、俺は何も持って無い」

何も無い、この両手には。
惜しむ事は無い。
死んだ所で誰も困らない。

「だから」





【人の殺し方を教えて下さい】



(このちっぽけな手のひらには何もありはしないのだから)





赤=暗殺者
執事=神父



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