「あれだろ?それ、恋だろ」晴矢の言葉にドキリと心臓が跳ねる。そうか、恋、だったのか。まさか私が人を好きになる日が来るなんて思ってもみなかった。たしかに彼女は可愛い。幸せそうに笑う彼女が、好きだ。
気づいたと同時に狂ったように高鳴る心臓がうるさく感じた。ああ、うるさい!「なあデートとか行ったら?」「デ、デート!?」つい大声を張り上げてしまって、周囲(主にヒロトとか瞳子姉さん)が私と晴矢の方を見る。穴があったら入りたいくらいの恥ずかしさだ。「む、無理だ・・!」「誘ってみなきゃわかんねーだろ?」「無理だ!第一何を話したらいいかもわからな・・!」「風介話題ねーもんな」「首絞めるぞ?」「悪かった」晴矢の首に手をかける。「何やってんの?」後ろから聞こえた声に驚いて思わず手に力が篭ってしまった。「ぐぇっ」晴矢うるさい。「相変わらず仲良いねー」「・・おいなまえ、どこを見たらそう思うんだよ?」晴矢が涙目になりながら後ろに立っていた彼女に話しかける。楽しそうに笑っている彼女はやっぱり幸せそうだった。「おい風介」「なっ・・なんだ!」ぼーっと彼女を見ていると晴矢がおもしろそうに私の腕をつついた。「デート、誘えよ」「だ、だから無理だと・・!」「なんの話?」「・・っ」彼女が私を覗き込むように見る。ドクン、ドクン・・心臓がうるさい。恥ずかしくて涙が出そうだ。「あ・・え・・」「風介」「っ・・なまえ!」「なに?」バクバクバクバクバク心臓が張り裂けそうだ。だけどここで言わなきゃ、一生誘えない気がする。「今度の日曜、私と出かけないかっ!!?」言った・・言い切った!晴矢が隣で「出来るじゃねーか」とニッカリ笑った。「風介・・」目を見開いて驚いている彼女が私を呼んだ。ああ、言い切ったからと言ってホッとしてる場合じゃなかった。折角誘ったのに用事とかがあったら意味がないじゃないか。いや彼女なら用事の1つや2つあっても不思議じゃない。「いいよ」そうそうやっぱりだめ・・「・・え?」「だから、いいよ」ニッコリと彼女が笑った。ああ、本当に彼女は天使・・いや女神だ。感動で潤みそうになった目を擦って私も彼女に笑いかけた。








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テーマ「人外ファンタジー」
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