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旦那様はメイド様(ヒヨシ)


「おかえりなさいませご主人様……」
「まあ可愛いメイドさん達」
「ヨメヴェボアバァァアアアアア!!」

「ヒヨ子ちゃんいます?」
「いまお呼びしますね」

「おまたせしましたお嬢様……」
「ヒヨ子ちゃんかわいーね♪」
「あ、ありがとぉございます…!」

声が震えるが、ここでバレるわけにはいかない。必死に裏声を出して顔を合わせないようにするが、目の前のお嬢様(嫁)はニコニコとどこか困ったような、それでいてとても可愛らしい笑顔でこちらに話しかける。

「ご、ご注文は…?」
「オムライスと、……あ、貴方、チェキは大丈夫かな? 外が嫌ならお家で撮ってもいいんだけど」
「!!!」 

バレてた。

「名前…!!!おみゃーなんでここに…!?!?」
「ロナくんと半田からあなたの写メを貰ってね、面白そうだから来ちゃった!」
「んがあああああああ俺の嫁享楽主義がすぎるぞおおおおお」
「わあああ、近くで見れば見るほどほんとかわいーね。下着は? 女の子用?」
「はくか!! っ、はきませんよぅ」

一瞬低い地声が出たことで周りがざわざわしたので、慌ててヒヨシは声を高くしてぶりっ子モードに入る。
一方の名前は、旦那の意外な才能と初メイド喫茶にかなり浮かれている様子だ。
珍しくはしゃぐ嫁の姿に癒されないわけないが、いかんせん時と場所がおかしすぎてうまく集中できない。


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