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百田解斗に回収される


「…か、からだ……いたい……」

気が付けば、研究教室に篭って1日が経過しようとしていた。トイレとお風呂、軽食を食べに食堂へ行った意外は殆ど座りっぱなしで作業をしていたもんだからお尻や腰がめちゃくちゃ痛い、しかもペンを持っていた手も震えてる。というか眠い、頭が猛烈に痛み、身体の水分も奪われかけてるし何より眠気で目が霞む。個室に戻りたいけど身体が全く言うことを聞いてくれず、動けない。

「うぅ…どうしよう…」

服着替えて、あったかいお布団で寝たい。のに…、とても眠くて、このまま机に突っ伏してしまう、あー…身体の力が抜けて途端に眠気が襲ってくる。
このまま寝てしまおうか、でも次の日身体が大変なことになってしまう、

「うー……」

もう、だめだ…。と目を瞑ろうとしたら、研究教室の扉が音を立てて開いた。

「おー、名字!やっぱりここにいたのか」
「(この声……)」

薄れゆく意識を必死に覚醒させ、頭を動かせば、そこには百田くんが立っていた。百田くんは真っ直ぐに私へと歩み寄り顔を覗き込んだ途端顔をしかめる。

「すげぇ隈だぞ…、また篭りっきりで作業してたんか」
「気が付いたら…夢中で…」
「声も掠れてんじゃねーか。ほら、個室帰るぞ」

椅子を引いて、そのまま身を屈めたと思ったら私のお尻へと手を伸ばしそのまま身体を持ち上げる。子ども抱きの要領で抱えられた私はそのまま彼の首に腕を絡め肩口に頭をもたげる。あー…、あったかい、すごく落ち着く…。

「電気よし、あとはなんか消すもんあるか?」
「ないよ…。今日は焙煎とかしてないし…」
「そうか」

ぽん、と背中を優しく叩かれた。あ、だめ寝る。
というか私を軽々と持ち上げるとかどんだけ力持ちなの百田くん、よく私がここにいるの分かったね、とか色々言いたいことはあるけど、頭が回らなければ口も回らない。こりゃかなりの重症だ。

「大丈夫か?」
「死ぬ…」
「ったく、無理すんなっていつも言ってんだろ。限界を求めないのはいいことだけど限度ってもんはあんぞ」
「はい…」
「…ま、今言っても仕方ねーか。眠かったら寝ても良いからな」

百田くん、いつも私が限界を感じた時に来てくれる、まるで王子様のようだ…。

「(幸せだ…)」

このまま寝てしまおう、身体の力を抜こうとした時に、誰かの声が聞こえた。

「あれ?百田ちゃん、まーた名字ちゃんの回収してんだ」
「まーな、また動けなさそうだったからな」

え、私もの扱い?

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