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好きと好きの板ばさみ(災藤)


コミカライズ且つつれづれネタバレです
口調とかよく掴めていないので色々捏造気味です。

 言うなれば、白い、真っ白とまではいかないがどこか透き通っておりざっくばらんに言ってしまえば白に近い灰青の瞳と灰白の髪を持っている災藤さんは優しくどこか不思議な印象を植え付ける。

「さ、災藤さん、……ぉ、おはようございます!」
「ああ、おはよう名字。今日は非番なのかい?」
「は、はい、災藤さんは?」
「私は先ほど佐疫のレッスンを終えたところだ」
「レッスン、……あ、ピアノですね。……たまに佐疫先輩聞かせてくれるんですよ」
「ほお……どうだい? 聞いていて」
「素人だから上手く言えませんが……凄く上手でいつも聞き惚れてます」
「そうか、経験者よりも未経験者の意見はとても大事だからね。名字の発言はとても貴重だよ」
「そういうものですかね……?」
「ああ」

 柔和した笑顔を向けた災藤さんの手が、そっと私の頭に触れた。撫でられたと気付くには時間は掛からず私の身体は一気に強張り身体全体が熱くなる。うわこれ顔赤くないかな、バレてたら恥ずかしいんだけど。

「〜っ……」
「名字? 俯いているけど平気かい?」
「は、はい! 全然平気です! お気になさらずに!」
「……」

 うわあ怪しまれてる。確かに不自然だったかなぁ、というかもう、そろそろ心臓がヤバイ、変な行動しなければ良いけれど……。じっと私を見下ろす災藤さん、見つめられているという事に気付いて私は顔を上げて彼の瞳を見ることが出来ずにいる。ああもう、心臓が本当に五月蝿い。

「名字、今度は佐疫ではなく私のピアノも聞いてくれないか?」
「え!?」
「嫌だったら無理にとは言わないよ」
「寧ろ、自分なんかで良いんですか……!?」
「名字だから頼んでいるんだ」

 先ほどと同じように、けれども先ほどとは違って優しく髪を梳かれ微笑まれた。あ、駄目だコレ。死んじゃう。

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