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- ナノ -

佐疫に絡む


「名字?」
「うっうぅぅうううっ……! なんですかぁ……? さえきせんぱぃ……」
「うわ目元が真っ赤だよ、泣き過ぎ?」
「だってなきたくなるんだもんんん……うあああああ……っ」
「はぁ……声も掠れちゃって……ほら水飲みな」
「ためいきついた……! ぜったいめんどくさいって思ってますよね!? うああああああ馬鹿あああああ!」
「……うーん」
「うっ、……ひっく……! なみだがとまらないよおおおおおさえきいいいい」
「はい。水飲んで」
「んぐ!? ちょ、おしこまないでっ……! んんー!」
「……」
「らんぼうだ……おうぼうだ……さえきの馬鹿」
「食堂に居たら風邪引いちゃうよ。部屋まで送るから帰ろう」
「うぇえええええ……! かえらないいいい!」
「あ、こら名字。いきなり抱きついたら危ないでしょ?」
「うぅうう……じゃ、さえきの部屋……行くっ」
「え……?」
「さえきの部屋じゃなきゃやだあああ!」
「ああもう分かったから。ほら夜も遅いから静かに、ね?」
「やったー……うううう」
「(うーん、ちょっとめんどくさくなって来たかも)」
「……」
「……名字?」
「……」
「え、もしかして寝ちゃった? 名字?」
「……んー……」
「泣き疲れて寝ちゃうって……赤ちゃんみたいだなぁ」
「……」
「仕方ない、このまま連れて帰るか。……もう少し危機感持てって言わないと……」

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