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出来ちゃった(肋角+木舌)


「名字、こっちへ来い」
「ん? はい」
「……今朝振りだな、こうして触れるのは」
「肋角さ、……うっ、ま、待ってください離れて」
「なぜだ」
「い、良いからっ……!」
「理由が無い限り無理だ。嫌なら足掻け」
「〜っ、離れて下さい!」
「っ、……」
「(あ、やばい怒らせた、っ無理だ吐く!)」
「名字、」
「(ごめんなさい肋角さん、けど煙草のニオイだけは無理です!)」

「ねえ名字、肋角さんと喧嘩した?」
「え……」
「朝から凄い不機嫌だよ肋角さん、灰皿に入ってる吸殻の量も半端ないし」
「た、確かに昨日は気まずくて自室で寝ましたけど……」
「あまり詮索はしないけど、早めに仲直りした方が良いんじゃない?」
「お気遣い有難う御座います……そうですね、元々は私のせいですし謝ってきます」
「うん」

「はー……緊張する。……失礼します」
「……」
「(うっわ凄い煙草のニオイ! っ、……駄目だ無理……)」
「は? おい、名字っ!」
「……」

「……あれ」
「目が覚めたか」
「肋角さん? というかここって……」
「医務室だ。執務室に入った瞬間お前が倒れたとき、たまたま救護係の奴が通りがかってな」
「そうだったんですか……。あ、肋角さん、昨日はすみませんでした!」
「……なにが原因なんだ、もし俺が名字を無意識に傷付けていたならば謝る、言ってくれ」
「ち、違います。……あの、煙草のニオイが駄目で」
「煙草? 前にだいぶ慣れたと、」
「いや、私自身は大丈夫なんですけど、……副流煙って、影響凄いみたいで」
「新胴自身にか? だったら前から言ってくれれば、」
「……いや、あの、……あ、赤ちゃんに……」
「…………は?」
「だ、だから……赤ちゃん」
「どういう、意味だ?」
「昨日の昼分かったんですけど、……お腹に赤ちゃんいるみたいで、その、ち、父親が煙草吸うかって聞かれたからはいって言ったんですけど、煙草の煙は赤ちゃんに多大なる影響を与えるからなるべく早めに言って禁煙とかして貰えって……」
「だから昨日俺を拒絶したのか?」
「話を持ち込もうとした瞬間、肋角さんから煙草の香りしたから本能的に身体が動いちゃって……、赤ちゃんになにかあったら嫌だったし……」
「……名字が、俺の子を孕んだんだよな?」
「そうです、肋角さんの子です」
「そうだ、倒れた時執務室にいたが大丈夫なのか? だいぶ煙草のニオイが充満していたが」
「一応今度検査の時に聞いてみます。不快な思いさせてしまってすみません」
「なぜお前が謝る。元はと言えば煙草を吸っている俺にも原因があるんだ、すっかり名字も慣れたから安心しきっていた……。よし、今日から、お前と腹の中の子のために禁煙する」
「えぇ!? こんなこと言うのもあれですが、平気ですか……?」
「愛するものを護るためなら余裕だ。……ただ、口の寂しさを埋めるためスキンシップは多くなると思うがな」
「っ……!」
「丈夫な子を産んでくれ、名字。……有難うな」
「肋角さんん……!」
「ああ、煙草のニオイがある執務室と俺の部屋には今日は来るな。名字は自室で寝てくれ」
「え……」
「正直俺の身体もニオイが染み付いていそうで近付くのが恐いんだ」
「や、やだ……! 昨日も一緒に寝てないんですよ……」
「腹の子が大事だろ?」
「肋角さんがいないストレスで悪影響ですよ……、お風呂入れば、ニオイ取れます」
「……ほんと、お前は無意識に誘ってくるな」
「そ、そういう意味じゃ」
「分かった。部屋の喚起をしておいて、風呂へ入ったあとお前の部屋へ行く。待っていられるか?」
「頑張ります」
「それとなにかあったら、遠慮なく俺を頼れ。今一番大事なのは、お前自身の体調なんだからな」
「はい!」
「……名字」
「はい?」
「…………本当に、有難うな」
「……っ、うん」

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