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認めないよ、こんなもの(木舌)


マキくんがついに転生したらしい、一緒に酒を飲んでいた木舌くんがポツリと言葉を漏らして判明した。だから?と声色を変えず言えば「言いたいこと、言わなくて良かったの?」なんて言うもんだから無性に腹立たしくなって目の前マルガリータに口を付けて彼の言葉を流した、口内に流れ込むソレは妙に苦くて鼻の奥が痛くなった、あれ、こんな味だったっけ。「だいたい、僕は女性関係には深く立ち入らないの知ってるでしょ」嚥下した酒が喉の奥で張り付き上手く声が出ないのを無視して、吐き捨てるように言えば木舌くんは分かりきったような顔をして言い切る。「あの子以外には、でしょ」「木舌くん、なにが言いたいの」全てを見透かしているような雰囲気に苛立って睨みを利かせれば相変わらず崩れることのない弧を描いた唇が目に入り、頭が痛くなる。「今も昔も、僕は変わらないよ」マキくんが、居ないことなんて大したことじゃない、のに、頭が、痛い、鼻の奥も痛くて、視界もくらくら歪む。酒に酔ったのかなぁ。だいたい、確かにマキくんとは普通に喋ったりしてたけど僕は恋愛感情なんてもの存在しないからどうでも良い。求められたら応えてるだけだ。それが理由でフられる事が多いけど未練なんて一つもない、ましてや付き合ってもない女の子なんかに、あるわけないのに。マキくんと話している間は楽しかった、彼女の声を聞くだけで元気になった。それは、一時の変な感情なだけだ、僕が恋を、ましてや亡者なんかにするわけない。もう出会うことない彼女の笑顔を思い出したら、また頭が痛くなった。今日は酒の回りが早い。「……名字、泣いてるの?」……はあ?意味が分からない。目から溢れ出ている雫は、頭が痛いから勝手に流れているだけで、僕が悲しくて、泣くわけ、なん、か

マルガリータ→無言の愛

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