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「#幼馴染」のBL小説を読む
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出来ちゃった(斬島)


「はいご飯」
「わざわざ作ってもらってすまなかったな」
「別に良いよ、今日は休みだったし」
「助かる。……いただきます」
「いただきます」
「……美味いな」
「ありがとー、いっぱい食べてね」
「明日は任務だろう」
「うん、少し大変だから平腹先輩と田噛先輩も一緒」
「あまり無理はするなよ、……お前一人の身体ではないのだから」
「!」
「どうした」
「え、き、斬島知ってたの?」
「なにがだ?」
「いや、というか一人の身体って」
「お前の身体は俺のでもあり、俺の身体はお前のでもあるだろう」
「…………あ、なるほどそういうことか」
「?」
「なんでもないよ、うん……あ、そうだ」
「なんだ」
「斬島、次の休みの日被ってたよねちょっと私に付き合ってくれないかな」
「構わないが、どこかに行きたいのか?」
「今日病院に行ったら妊娠してて、次は旦那さん連れてきてって言われたから」
「ぶっ!?」
「うわ!? き、斬島大丈夫!?」
「な……げほげほっ! 名字、今何て言った?」
「旦那さん連れてきてって……と言っても結婚してないか」
「違う。その前だ」
「え、妊娠……あ、ごめん、言うの忘れてた……」
「言う云々ではなく……その話、本当か?」
「う、うん……昼間に分かって、言おうと思ってたのに斬島忙しかったみたいだから」
「……」
「え、斬島、私のお腹がどうした?」
「ここに、俺とお前の子がいるのか? ……居るようには見えないのだが……」
「まだ数ヶ月しか経ってないし……今の段階だと本当に小さいんだって、時間が経てば大きくなってくるみたいだよ」
「……俺が、父親か……」
「(わ、斬島が少し笑ってる。珍しい)」
「名前、考えておかないとな……、男と女」
「う、うん。でもまだまだ産まれるまで時間はたっぷりあるから」
「しかし、女と言うのはつくづく不思議だな。ここに、俺たちと同じような奴が入っているのか」
「そこらへんは人間と同じなんだね、まさか私が母親になるとはなー」
「産まれるまでは安静にな。……正真正銘、お前一人の身体ではないからな」
「ん。でもさっきも言ったときは吃驚した、誰にも言ってないのに知ってるのかと思って」
「……だが、時折ふっと名字と二人でいるときももう一人名字の近くにいる違和感があってな、……あの違和感はこいつだったのか」
「(なにこの人凄い)」
「そうだ、結婚は、産まれる前と産まれた後どちらが良い?」
「え」
「責任はきちんと取る。だから結婚しよう名字」
「ふ、不束者ですが宜しくお願いします」

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