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鏡の怪異きりしま?くん


「早く、身体洗い流したい………………。よし、全部洗濯機入れとこうかな、タオル着替え……完璧。あー、鏡も磨かなきゃなー」
「名字! 風呂入るのか、背中流すぞ」
「……」
「……」
「……わ」
「……?」
「わあああああああ!?」
「ど、どうした名字!」
「な、なんでいるの変態! 最低!」
「ま、待てそれは鉈っ……あ」
鏡粉々。
「わあ、見事に粉々だね」
「うぅすみません佐疫お手数おかけして」
「大丈夫だけど……なにがあったの? それに、そこの隅で丸まってるきりしま?も……」
「何でもないです、ちょっと色々ありまして」
「(名字に嫌われた……俺はこれからなにを糧に生きていけば……)」
「まあ、場所が浴室だからなんとなく想像付くけど……」
「多分、ご想像の通りかと……」
「……きっと悪気は無いはずだから、ちゃんとケアしてあげてね」
「……はい」
「(きりしま?沈み中」

「きりしまくん」
「! すまなかった……てっきり裸体は見慣れなれているかと」
「慣れるわけないから! それに、いきなり出てくるのは駄目、吃驚したよ私」
「なら、一声掛ければ良いのか?」
「そーいう意味じゃ……」
「?」
「……いきなり浴室の鏡に現れるのは禁止! 分かった?」
「あ、ああ……分かった」
「(あーもう、心臓に悪い……)」
「……名字」
「ん?」
「……俺のこと、嫌いにならないでくれ……嫌われたら……っ」
「……嫌いになんかなれないよ、ちょっと吃驚しただけ」
「だが、」
「嫌われてほしいの?」
「嫌だ……」
「うん、私はきりしまくん大好きだよ。安心して」
「本当か?」
「本当、よしよし」
「……撫でられるのも、悪くないものだな」
「それは良かった」

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