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「#エロ」のBL小説を読む
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会話文みたいな小説みたいな感じ。

「っは〜……お風呂気持ち良い」
 屋敷に置いてある温泉は、お湯の種類がとても豊富で先輩姉さん達からも人気が高い。たまに私もこうして利用しているのだけど、やはり広いお風呂は良いな。一人なのがとても寂しいけれど。
 仕方ない、もう夜も遅いし、先輩姉さん達は既にお風呂入っちゃってるし。
「ずっと入ってたいな〜」
 大きく息を吐いて肩まで浸かる。うん、やはりお風呂は気持ち良い。そうだ、せっかくだから洞窟のような作りをしているお風呂行ってみるか、最近出来たらしいし。
「わあああああ凄い」
 外に出ればすぐ洞窟のような空間が広がる。おぉ広い、薄暗く立てば膝くらいまでのお湯が張っている中を歩き続ければ向こう側から人の声が聞こえる。 
「(あれ?)」
 こんな時間に人なんて入ってるのかな、あ、でも任務が遅くてまだ帰ってきてない姉さんとかいたからその人たちかな。じゃぶじゃぶとお風呂の中を歩いていると、声が一気に近くなる。
「ん? 一体、誰、」
「名前!? 名前じゃん〜!」
 薄暗い中、思わず声を発すれば行き成り低い声が響いて誰かに飛びつかれた。先輩姉さん? と思ったのも束の間、なぜだか上半身はタオルを巻いてなくて、妙にごつごつしている、え、あれ、胸、ない……んん? 思い切り抱きつかれているので、上手く顔を動かして見ると、見たことのあるオレンジ色のふわふわ髪。
「え、あれ、平腹先輩?」
「おう!」
「ええええええええええええええええ!?」
「おい平腹貴様っ……な!?」
「なになに〜? あ、名前〜!」
「……めんどくせぇことになったな」
「わあ凄い偶然」
「……」
「なるほど、今が混浴の時間だからか」
 頭から煙を吐き出す勢いで怒っている谷裂先輩と目が合った瞬間、これでもかというほど顔を真っ赤にした谷裂先輩がいた、そしてなぜか酒瓶を持っている木舌先輩に舌打ちする田噛先輩、そして奥の方には佐疫先輩と斬島先輩がいる、あれ、良く見れば肋角さんもいる。なんで全員いるの!?
「な、なななななななんで先輩達が!? っていうか平腹先輩離れて!」
「え〜、だって柔らかいし〜……ふぉ? 名前意外と胸あるんだな!」
「いやあああああああ谷裂先輩助けてええええええええ!」
「平腹離れろ!」
「いってえ!?」
 タオルを剥ごうとする平腹先輩を必死に離しながら、口やら耳から煙を吐き出している谷裂先輩に助けを求めれば谷裂先輩は顔をこちらに向けずに平腹先輩の頭に拳を落とす。うわ痛そう。
「偶然だね名前! せっかくだから裸の付き合いでもしない?」
「しませんから! しませんからこっち見ないで下さい!」
「まあまあ〜、ほらほら、どうせなら全部解放しちゃいなよ〜」
「止めろ酔っ払い! あ、ちょ、ほんとに止めてください!」
 ぐいぐいタオルを引っ張られる、待って、待って、向こうも腰にタオル巻いている状態だからほぼ半裸、恥ずかしすぎて顔を向けられない。なんでこんなことに! 
「木舌、名前困ってるからやめなよ」
「え〜」
「名前、これを上にかけろ」
「斬島先輩、有難う御座います……!」
 佐疫先輩が酔っ払い、木舌先輩を宥めている間に斬島先輩は私の方にハンドタオルをかけてくれた。有り難い、これで少しはマシになるだろう。
「つうか、なんで名前がいんだよ」
「こっちこそ聞きたいです……まさか女子風呂と男子風呂通じてるとか?」
「そのようだな、この時間帯は混浴になるらしいしな」
「肋角さん……、知ってたんですか」
「これでも一応上司だからな」
 洞窟の天井ギリギリの肋角さん、背伸びすればもう届きそうじゃないですか。にしても、肋角さんの筋肉凄い……いや谷裂先輩も十分凄いけど。
「名前?」
「いえ、あの、自分、出ます!」
「待て、身体が冷えるからここで一旦温まっていけ」
 え、マジで言ってるんですか肋角さん。周りに目を向ければ肋角さんの意見に同意したのか先輩達はお湯に浸かってるし、えなにこの状況。
「うー……えっと」
「ほら」
「あっ」
 肩を押されて座らされた、肋角さんは満足気に見たら同じくお湯に浸かり出すし……ううううう恥ずかしい、こんなに大勢の男の人とお風呂なんて入ったことないし……。
「名前顔赤いよ? 大丈夫?」
「だ、大丈夫です! 大丈夫、ですから……」
「ふふ、照れてる?」
「っ」
 余裕そうに笑う佐疫先輩、なんか私の反応楽しんでないか? しどろもどろになりながら目線をなるべく逸らしていると、後ろから人の気配、なんだ、と思って振り向く前に誰かに首筋を噛みつかれた。 
「……」
「ひゃあ!?」
「あー田噛ずりぃ!」
「な、なんですか田噛先輩!」
「むき出しにしてる方がわりぃ」
「どういうことですか!」
 意味分からない! ほんとに意味分からない! 確かに髪を上に纏め上げていたから首筋丸見えだけど、いきなり噛むのはどうかと思うんですけど!
「ささ、名前飲もう飲もう〜」
「だからタオル剥ごうとしないで下さい!」
「木舌ああああああああああ!」
「うわちょ谷裂目玉飛ぶっ!」
「くくっ、随分人気だな」
「肋角さん、からかってますよね……!」
「こういう賑やかな機会を作る時間は中々無いからな」
 楽しそうに笑う肋角さん、……確かに、こうして昔から馴染みのある先輩達と集まってわいわいするのって中々ないから楽しいは楽しいけど、場所がお風呂ってのは予想外。
「名前と、俺たちの身体は全然違うな」
「え?」
「こことか、どうなってるんだ?」
「ぅあっ、ちょ、斬島先輩っ……!?」
 どこに興味を示したのか、斬島先輩は好奇心旺盛な子どものような視線で私の身体を撫でてきた、腰から胸にかけて、お湯の中だしタオルを巻いているからそこまでくすぐったくは無いけど、吃驚して変な声が出た。
「平腹の言う通り、柔らかいな」
「うっ、……先輩」
「……お前、ほんとに危機感ないな」
「ひっ! っ、ちょっと待って、」
 斬島先輩の手を制している間に、田噛先輩が私の首筋に舌を這わせてきた、ぞわぁっと鳥肌が立ってきた。
「田噛せんぱ、」
「……」
「や、やだ斬島先輩まで……!」
「ちょっと二人共、それはさすがに」
「おれも混ざろうかな〜!」
「貴様は目玉を探せ!」
「やべタオル取れた! どこだ?」
 なんだこのカオス状況! 逃げるべく身体をズラせば、くらりと視界が揺らいで、身体が熱くなった。あれ。
「そろそろ上がるか〜!」
「平腹タオル巻いてから立ち上がれ!」
「もう少し触っていたかった……」
「斬島って意外とむっつりだよね〜、飲む?」
「……だりぃ」
「貴様達静かにしろ!」
「お前達、逆上せるなよ。……名前?」
「あ、れ……あ」
「名前!?」
 もう上がろうと思って立ち上がった瞬間、再び視界が揺らいで身体が傾いた、倒れこむ前に誰かに支えられたからお湯に飛び込むことはなかった、誰だろう、目線を上げた瞬間に私の意識はここで途絶えた。



「名前、しっかりしろ」
「大丈夫か!?」
「氷持ってきたよ〜」
「俺水持ってくるね」
 何人かの声が響いて、うっすら目を開ければたくさんの色の瞳が目に映った。あれ、みんな服着てる。
「……ん」
「起きたか、そのまま横になってろ」
「逆上せたみたいだな」
 斬島先輩の言葉に納得する、確かに長時間長湯してたし色々混乱状態で身体とか熱くなったりしてたからなー……佐疫先輩が差し出してくれた水に口をつけようとしたら、ストローを用意してくれて私はそのストローから水を飲む。あ、冷たくて美味しい。
「すまない、配慮が足りなかったな」
「肋角さんのせいじゃないですよ……気にしないで下さい」
「冷えタオルあるから冷やしてろ」
「有難う御座います、田噛先輩」
「はい、氷枕ね」
「木舌先輩も、ありがとうです」
「ま、でも目覚めてよかったな!」
「平腹、貴様は黙ってろ」
 騒ぐ平腹先輩を、谷裂先輩は近くに置いてあったタオルを投げつけて黙らせる。容赦が無い。
「俺達のせいでもあるからね、体調良くなるまでここにいるよ」
「でも……」
「昨日今日の仲間じゃないだろう、もっと甘えろ」
 佐疫先輩の言葉に、声を洩らせば肋角さんが笑顔で私の頭を撫でた。……もっと、甘えても良いのかな、目線で訴えかければ赤い瞳は細められるだけだった。
「じゃあ、もう少しだけ皆さん傍に居て下さい」
 私が呟くように言えば、みんな表情は別々だったけど、頷いた。
「当たり前だ、元はと言えば平腹がはしゃいだせいでもある」
「え〜けどなんやかんや谷裂も楽しそうだったじゃん!」
「殴るぞ平腹」
「まあまあ、ここは冷酒でも飲んで」
「木舌はお酒を控えた方が良いって、お風呂で見たけどあのお腹はさすがにマズイよ」
「いっそ脂肪削いじまうか」
「田噛酷い!」
「お前達、静かにしろよ」
「……良くなるまでついてるから、安心しろ」
 斬島先輩が濡れタオルを当てて囁いてくれた、ああ、私、やっぱり皆のこと大好きだ。

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アンケートネタ、お風呂でみんなと鉢合わせ逆ハー風味です! 逆ハーは書いたことが無いので難しかったです、いやはやキャラが多いと大変だ。けど凄く楽しかったです、多分新胴は男慣れしてないから大パニックのち冷静な人に対応されると持ち前の諦めの早さが発揮されそうです(笑
ちょっと色々手直しするかもです。