エイプリルフールネタ！　ＳＳ方式です。全員分あるので長いです。今回後輩獄卒と獄卒もどきは嘘を付く側です、きっとエイプリルフールを知っているのは彼女だけだと思われる。

〜斬島に別れ話をしてみる〜
「……あのさ、斬島」
「どうした」
「私達って付き合ってるんだよね？」
「ああ」
「……」
「何があった」
「なんかさ、違うんだよ。恋人らしい事何一つしてないから愛されてる自信ないし、私自身愛情も無くなって来てる」
「！」
「ごめん、これ以上斬島といると辛いだけだし……やっぱり私達別れた方が幸せになると思うの」
「……本当に言っているのか？」
「嘘付いてるように見える？」
「……わ、分かった、すまなかった」
「え、待ってなんでカナキリ？」
「名前をずっと不安にさせていたんだ……一回だけ腹を切らせてくれ」
「わあああああああ！　ごめんごめん！　嘘だよ嘘！　というか今日エイプリルフールだから！」
「えいぷりる、ふーる？　なんだそれは」
「嘘をついても良い日のこと！　ごめん、私が悪かったです。愛情無くなってないよ、寧ろべた惚れです」
「……」
「えっと？」
「夢ではないか確認するため、腹を切っても構わないか……？」
「良いわけあるか！」

無表情で軽く涙流しても良い。別れたくない！　って縋りはしないだろうなあ。

〜佐疫に浮気をにおわせてみる〜
「(あー疲れた……泊り込みで仕事とかいつ振りだろう。佐疫に連絡してないから心配してるだろうなぁ)」
「名前！」
「うわ佐疫！？」
「昨日部屋にいなかったよね！？　どこ行ってたの！？」
「(凄い焦ってる……あ、そうだ今日エイプリルフール)……えっと、泊まってた」
「どこに？」
「……平腹先輩の部屋」
「……え？」
「寝る場所無かったから、一緒のベッドで」
「……ふうん」
「え、待ってそれバズーカ」
「今から平腹に会いに行ってくるね。……ああそうだ名前、明日歩けると思うなよ。……喉も壊れると思うけど覚悟してね」
「ごめんなさいすみません嘘です！　本当は女子寮の先輩の部屋に泊まってました！」
「え、嘘？」
「エイプリルフールだよ！　前に話したことあったよね？」
「……ああ、あれか。へえこういう嘘を付くもんなんだ」
「ごめんなさいほんと。焦る佐疫見たくて」
「まあ、許すけど、今夜は寝かせないよ。これ嘘じゃないから」
「(詰んだ)」

本気で怒ると口調変わったりしませんかね。優等生は怒ると怖い。

〜平腹に堂々と浮気宣言してみる〜
「平腹ごめん、浮気した」
「……ふぉ？」
「先輩と浮気した。過ち犯しました」
「なに、本気で言ってんの？」
「(うわあ怒ってる)」
「なあマジで？　マジで浮気したの？　おい、答えろよ名前！」
「あ、えっと……う、うん(ネタバラシどうしよう)」
「名前オレの事嫌いになったのか？　ああだから浮気したんだよな。すっげームカつく。なんだこれ」
「ご、ごめん平腹、嘘で、」
「殺す。オレオマエ見てたらすっげーイライラして来たし。とりあえずオマエ殺して再生したら気絶するまで犯す。その後浮気相手再生する間も与えずに殺し続ける。死ね」
「あ」
シャベルフルスイング
「確かに嘘付いたのは悪いけど、いきなり殺すのはどうかと思いました」
「悪かったって言ってんだろー！　名前だってひでー嘘付いたじゃん」
「う……それは、謝るけど……ごめんなさい」
「けど嘘付いて良い日なんかあるんだなー。人間ってのは物好きだな」
「そだね」
「……名前」
「ん？」
「とりあえず何かムラムラした抱かせて」
「は！？」
「いただきまーす」
「えええええええええ」

想像出来ないけど、多分勢いに任せて一回は相手を殺しそう。怒りを鎮めるの凄くめんどくさそうです。

〜田噛に別れ話を切り出す〜
「田噛。別れて」
「……は？」
「正直もうなんか疲れた。田噛、絶対私のこと好きじゃないでしょ」
「……」
「なんか自分だけ好きなの馬鹿らしくなったから、別れて」
「……へえ、そうだな。俺もお前の事好きじゃなかったし」
「え」
「一々話しかけられるのめんどかったし、まあ身体の相性は良かったけど代わりの女なんて何人もいるしな」
「……田噛？」
「後悔なんてねぇよ、別れてやる」
「……」
「は？　名前？」
「エイプリルフールで、嘘付いたつもりだったけど……田噛、そんなこと思ってたんだ」
「おい、そういう意味じゃ」
「めんどくさい思いさせてごめんなさい、今まで有難う」
「おい待てコラ、勝手に勘違いすんな！」
「うえええたがみいいいぃぃぃ……」
「お前の考えなんて分かるに決まってんだろ。だりぃことさせんなよ」
「えええええ？」
「ったく……お前が嫌いなわけ、ねーだろ馬鹿」
「つまり、エイプリルフールだって分かってたの……？」
「……俺を誰だと思ってんだよ」
「たがみいいいい……！　もう嘘付かないです……！　大好きいいいい！」
「……はいはい」

彼女の発言を先読みするよね、絶対。さすが頭脳派田噛。

〜谷裂に別れ話をしてみる〜
「いつもいつもいつも訓練ばかりで構ってくれない……あの、本当に私のこと好き？」
「いきなりなにを言い出す」
「そうやってすぐはぐらかす。あーぁ……愛想尽きた。別れよう」
「！」
「一歩通行の片思いなんて付き合ってもないも同然じゃないですか。ちゃんと自分を愛してくれる人探します」
「おい名前っ」
「うっさい脳筋一人で訓練してろ！　ていうか斬島先輩一生ライバル視してろ！」
「待てと言っているだろう！」
「わ、あ」
「……俺が好意を表現するのが苦手なこと、お前も分かっているだろう」
「う、うん」
「だが、……不安にさせたのは謝る。……お前も理解しているだろうと、勝手に思っていた」
「(あれ)」
「名前のことは、ちゃんと、…………す、好きだ」
「(わあああああああ！　デレた！　谷裂がデレた！)」
「……名前？」
「えっと、ごめん……凄く嬉しいけど。今日エイプリルフールって言って嘘付いても良い日なの」
「……」
「だ、だから別れ話は、嘘、です」
「……名前、歯を食いしばれ」
「ごめんごめんごめん！　いたたたたたた！　谷裂ごめんんんんんん！」

なんやかんやで慌てふためく谷裂とかっ。

〜木舌に浮気をにおわせてみる〜
「木舌さん、謝りたい事があります」
「なあに？　どうしたの〜？」
「昨日、男の先輩の部屋でお酒呑みすぎて朝起きたら裸でベッドにいました」
「……え？」
「う、浮気しました……！」
「……ふーん。なーんだ、これで同罪だね！」
「え？」
「おれも前に飲み屋のおねーさんと一回だけそういった関係になっちゃってさ、言ったら名前悲しむと思って言わなかったんだよ」
「え、え？」
「だから、これでおれと名前は同罪だね！　めでたしめでたし」
「(なんてこったい。泣きそう)」
「……おれを騙せると思った〜？」
「！　木舌さん、もしかして」
「うん、今日エイプリルフールって言うんでしょ？　ふふふ大成功〜」
「さっきのは、じゃあ」
「もちろん嘘だよ！　おれ名前以外とそんな事しないよ」
「っ〜……！　木舌さんの方が一枚上手でした」
「騙せるとしたらあと百年くらいかな〜？」
「もう良いです。こんな思いはしたくないです」
「うんうん、それが良いかもね」

一枚上手なお兄さん木舌。

〜肋角さんに騙される〜
「名前、別れよう」
「……はい？」
「そろそろ飽きてきたしな、子どもとの恋愛は」
「えっと、今日はエイプリルフールですから嘘ですよね？」
「エイプリルフール？　なんだそれは」
「前に話したことが、」
「とにかく、そんな行事は知らん。お前との恋愛ごっこももう終わりだ」
「……」
「(……ちょっと言い過ぎたか、しかしこの表情もそそる)」
「わ、かりました。じゃあ私……、この前先輩に告白されたのオッケーしておきます」
「……！」
「肋角さんのこと、大好きでしたぁっぁあ」
「……名前」
「うぇっ……」
「すまない。全部嘘だ」
「今日のこと……」
「知っていた。からかうつもりだったんだが、悪い事をしたな」
「うえええええええ肋角さんの意地悪うううう！」
「すまなかった。……今夜たくさん相手をしてやるから」
「え」

黙すことは出来ませんでした、どちらかというと騙される方かな。

〜マキさんを突き放す〜
「ナマエくん！」
「……ああ、マキさん」
「あれ、どうしたの？」
「ごめん、ちょっと他の女の子と約束してるから急いでるんだ」
「……！」
「今夜部屋に遊びに行く予定もあるから、夜は会えないや」
「ナマエくん……」
「……」
「……」
「……ごめんなさいマキさん嘘です！　俺はマキさんを突き放すことなんてできねええええええええ！」
「え、どういうこと！？」
「エイプリルフールだよマキさんんん！　けどマキさんには嘘つけねえええええええ！」
「……よ、よしよし」
「マキさん大好きだよ愛してるううううう！」
「はいはい」

彼には無理でした。純粋すぎるぞアラタよ。