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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -
短編
バナナとイチゴ
会話文のみ。無印最終回後の帝国学園。

「よお苗字チャン、久しぶり」

「……」

「そんな誰ですか? みたいな面すんなよなー! チームでは一緒だったじゃねーか」

「……」

「おいおいおいそんなに俺のこと嫌いかァ? 過去のことは水に流そうぜ?」

「……」

「ったく、んな意地悪すんなって……イチゴパンツちゃん?」

「ぶっ殺すぞクソバナナ」

「こら名前! 女がそんな言葉使いするな!」

「うっさいオカン! 私はコイツが大っっっ嫌いなの!」

「オ、オカン?」

「まあまあ、不動も一応は改心したんだしさ」

「佐久間本気で言ってるの? いっぺんくたばれペンギン厨」

「な、ペンギンさんをバカにすんな!」

「してねーよ。厨二病こじらせて十年後黒歴史にしてしまえ」

「なんかいつにも増して荒んでね!? 俺の知ってる苗字じゃねーぞ!?」

「今日もイチゴパンツなのかー?」

「バナナ野郎! スカート引っ張るな!」

「あ、白レース」

「違うから! 今日は水色……あ」

「……へえ、水色なんだぁ?」

「源田ああああああああああ!」

「よしよし、落ち着け。……ていうか不動、名前の下着見たのか?」

「源田! お前真帝国学園モードになってる! 落ち着け!」

「いや、見せてくれたんだ」

「寝言は寝てから言え。コイツ私の着替え中に勝手に入ってきたの!」

「まさか着替え中だったとはねー? 可愛い下着で色々お世話になったぜ?」

「不動、いっぺん痛い目に遭いたいようだな」

「源田! 気を確かに持て!」

「元々鬼道の件とか源田や佐久間の件もあってお前なんか大嫌いだけどあれ以来もう視界にすら入れたくないんだよ!」

「……何を騒いでいるんだ」

「あ、鬼道。このクソバナナ廃棄処分してくれない?」

「すまない、言っている意味が分からない」

「鬼道、コイツ名前の下着を見たって本当か?」

「……否定はしない」

「イチゴパンツって……何年前だよ」

「そうか佐久間、ジャッジスルーそんなに喰らいたいのか」

「いつの間に覚えてんだよ!? ていうかお前今スカートだろ!?」

「私の素早さなめんな」

「またパンツ見えるぜぇ? 良いのかよ苗字ちゃん」

「黙れ。死ねクソハゲベンチバナナ」

「なにが名前をこんなにも変えたんだ……?」

「イナズマジャパンの時に何かがあったんだろう……支えになる源田がいなかったし」

「ま、まあまあ落ち着け名前。あれはもう随分前のことだろ」

「鬼道は甘すぎ! あれ以来どんなにからかわれたか……! ていうかイチゴ柄じゃないからね!? 前についてるストラップがイチゴなだからね!?」

「おまっ、そんな事言わんでよろしい!」

「なんだ、イチゴ柄じゃなかったんだ」

「佐久間、お前……」

「鬼道、そんな目で俺を見るな! そういう意味で言ったんじゃない!」

「絶対誤解してたでしょ!? 今時イチゴ柄なんて売ってるの!?」

「今度プレゼントしてやろうか?」

「不動もあまり名前を挑発するな」

「だっておもしろくね? 鬼道ちゃんも地味に楽しんでるだろ?」

「……」

「もう黙れよバナナ! お前源田とかを散々な目に遭わせたくせにさー!」

「ていうか俺のことほんとに嫌いなんだな。地味に傷付くぜ? 苗字ちゃーん?」

「お前は一生私の敵だ! ばーかばーか!」

「ぷっ、可愛いな」

「子どもかお前は、ほら落ち着け」

「ううう源田は優しすぎる……!」

「名前、不動も不動なりに色々あるんだ。察してやれ」

「どういう意味佐久間」

「な、なんのことだよ。俺は苗字ちゃんが慌てふためく姿面白いからからかってるだけだぜ?」

「地面に埋めるぞモヒカン」

「名前、今日はみんなで集まってサッカーするって約束があるだろう。いくぞ」

「むー……鬼道が言うなら仕方ないなぁ」

「後で俺もいくからヨロシクしような?」

「くんなバカ! けちょんけちょんにしてやる!」

「はいはい、楽しみにしてるぜ?」

「源田ライター持ってきて! コイツの髪燃やす! 正真正銘のハゲにしてやる!」

「落ち着け名前! もっとお淑やかになれ!」

「不動のばかやろおおおおお!」

「……ほんとに荒れてんな。鬼道も大変だったろう」

「いや……イナズマジャパンにいた時は案外普通だったんだがな」

「苗字ちゃんって意外とツンデレなんだぜ?」

「お前はからかいすぎだ」

「佐久間の言う通りだ、少しは素直になってみろ」

「くくっ、可愛くね? あの分かりやすい反応とかたまんねぇ」

「ほどほどにしとけよ、源田が怒るから」

「は? なんでだよ、ただの幼馴染なだけだろ?」

「……不動、一応言っておくが源田と名前は付き合ってるぞ」

「え」

「さて、名前……ずいぶん不動に気に入られてるな?」

「え、いや、私全然眼中にないからね!? ちょ、幸次郎怖い!」

「ようやく帝国学園に戻ってきたんだ。……覚悟しておけよ?」

「ちょ、まっ、あははははは! くすぐりは反則っ……!」

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ちょっと口が悪いイナズマ夢主、デフォ名日向晴/ひゅうが はる でした。
円堂のイトコ。みんなの前だと源田って呼び捨てだけど二人っきりになると名前呼び。
中学生なのでお付き合いは健全です。不動が不憫。

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