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「雀」
「ん?」

 学校に行く準備をするため鞄をゴソゴソ漁っていたら、一緒に暮らしているイトコの鴎が声をかけてきた。

「悪いけど、今日は先に学校行っててくれない? いや、別にSQ.買いに行こうとかじゃないから、朝っぱら行かないしー。ノート買いたいんだよねー、買わないけど」
「分かったからさっさと行って来い」
「悪いわー。じゃあ」

 相変わらず目線を合わせないまま手を振って先に家を出る鴎。…鴎はなんというか、ちょっと変。妙に大人ぶっているしキョドると変な動きをするし、まあそれ以上に変な人たちもこの箱庭学園にうじゃうじゃいるけど。わたしは、ごくごく普通な平々凡々な高校生だと思っている。
そんな事を考えていると、学校に行く時間になったのでわたしは家を出た。

「ふわぁ……眠い」
『あ、雀ちゃん』『おはよう!』
「げ。み、禊先輩」

 こっちに向かって満面の笑みを浮かべて手を振っているのは変態の一種でもある一応先輩の球磨川禊さんだ。

『今日も可愛いね!』『スカート捲ってもいーい?』

 うひゃあああ近付いてきたあああああああ! ていうか満面の笑みでそんな事大きな声で言うな!
ああもう笑顔は眩しいな!

「こ、こっち見ないで下さい! 満面の笑みで手を振らないで下さい! わたし貴方とは他人ですからね!?」

 いやああああああああ! 周りの人が変な目で見てる、怖い! っていうか本当に幸せそうな表情でこっち来ないで下さいよ!? なんか悪態言い辛いじゃないですか!

『いやだなぁ』『互いの体の隅々まで見尽くした仲じゃあないか!』
「誤解されるような事言わないでくださいよ!? わたし貴方とはそんな関係持った覚えありませんから!」
『もう可愛いなぁ!』
「いやああああああ! 抱きつかないで下さい!」
『あ。白のレース』
「何ドサクサに紛れて下着見てるんですかああああああああ!」

 いきなりガバッと抱きつかれて、いつの間にかスカートを捲られて下着を見られた。明日からハーフパンツでも履いていこうかな、うん。あ……でもオールフィクションされたら終わりだ。

『やっぱり雀ちゃんは可愛いなぁ』『いい匂いするし』
「マジで止めてください! 周りからすっごい目で見られてるの気にしないんですか!?」

 視線が痛いんですよ! あらあら。とか若いねー。とか聞こえてきてすっごい恥ずかしいんですけど!
体を捩って逃れようにも、彼は物凄い力でわたしを抱き締める。どっから出てるのそんな力!

『良いんだよ』『見せ付けてやれば』

 ニコッと笑みを浮かべて、わたしの頭をぐしゃぐしゃッと撫でながら禊先輩はわたしの胸に手を………………え、胸?

「ちょっ、胸を揉むなああああああああああ! もうそれセクハラの域に達してますからね、警察呼びますよ!?」
『いやだなあ、スキンシップだよ』
「いやいやいや、スキンシップじゃなくて、セクハラですから!」
『ふふふふ』
「なんですかその笑みは!?」
『いやあ』『可愛いなぁって思って』
「何でですか!」
『よしよし』
「〜〜〜〜っ!」

 頭を撫でられて、顔に熱がこもるのが分かる。
重なっていた視線を逸らすと、禊先輩はなんかもう、デレデレしながら私をムギュッと抱き締める。

『よしよし』『可愛いなあ雀ちゃんは』
「わ、分かりましたから本当に触らないで下さい!」
『照れてるの?』
「黙れ勘違い野郎」
『冷たいなぁ……』
「ほら先輩。学校行きましょう」
『え?』『手繋いでいいの!?』
「そんなこと一言も言ってませんから」


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