永遠なんて誓わなくてい
いんだ…うん…


そう俺の腕の中で呟いて

微笑むデイダラと不意に

目が合った俺を映す素直

な汚れのない瞳にゆっく

りと飲み込まれていくの
を錯覚したー…




窓一つ開けない薄暗い部

屋の中に二人の熱い吐息がこもる。


甘い台詞を考えることも

これからの展開を考える

隙も与えないくらいにお

互いを求め合い唇を何度も重ねる。


「んっ…はっ…旦那ぁ…」


唇を離してまた直ぐに自

分を求めてくるデイダラ

の子供心にも似たそれが何とも愛おしい。


感情は無いとほざいてい

たことなど忘れるほどた

だただデイダラを求める。



「…愛してる…愛してるぜ…」


何度も何度も。


胸の奥の甘い消えること

のない痛みが消えるまで
呟き続ける。


そしてお互いの身体が減

り込む程強く抱きしめ合う。


きっとこれは俺の自己満足に過ぎない。


自身がクグツでありデイ

ダラは人間であり決して

深く繋がることは出来な

いもどかしさからの行為なのだから。


デイダラはそれを知って

か知らずか、

「旦那…好き…大好きだぞ…ぅん」


俺を見つめては何度もそ

う呟いて自から唇を重ねる。


チュッ…チュッ…


小さなリップ音が静かな部屋に小玉する。


たまらなくなり俺はもう

一度抱しめる腕に力を込めそして呟いた。


「…愛してる…永遠に…」


その甘い言葉にデイダラ

の動きがピタリととまった。



そして俺を真っ直ぐに見

上げ永遠なんて誓わない
でいいよ、


と微笑みながらもはっき

りとした口調で言った。


部屋の蛇口から水が一粒

落ちた音が妙に頭に残ったー…





そして今にいたる。


デイダラは今まで返事を

待つような目で俺を見つ

めていたが不意にそれで

あった目の中の光は失わ

れ小さく道に咲く花を見

つけた様に微笑み話し出した。


「旦那の時間は止まっているけどオイラの時間は今も動いるんだ。うん」


当たり前であるその言葉

に軽く視線を外した俺を

目で追いながら俺の腕の

中にいたはずのデイダラ

が俺を抱きしめる体制になった。



そしてデイダラは小さく

だからさ、と付け足しこう言った。



「一分一秒の一瞬のオイラを愛してくれよ。いや…旦那が愛せる範囲でいい。その時だけはオイラだけを見てくれ。それ以上は何も望まねぇからさ…うん…」



少し切なげでありながら

デイダラ特有の男らしい

地声でデイダラははっき

りと明確な理由だけを伝えた。


そしてまた口を開いた。



「だから、旦那が寂しくなったときはオイラが必ず誰よりも傍にいて抱きしめてやる。」



あまりにもいつもからは

考えられない台詞と立場

の逆転に戸惑ったが


瞬間、不意に何かに包み

込まれるような感覚を感じた。


甘い海に飲み込まれるよ

うなそれは嫌なものを感じさせなかった。



あぁ、そうか…俺のこと

を一番分かっているのは

コイツだったんだ…


そう気づくと不覚にも泣
きたくなった

(涙など出るはずもないが…)


でもこれだけは誓えるよ
うな気がした。


否、叫びたいくらいだった。


愛してる、愛してる。


いまこの瞬間のお前を


これから先のお前を…



ふと気がつくといつもの

甘えた声質に戻ったデイ

ダラが腕の中にいた



窓の外の薄桃色の花が愛

らしく二人に微笑みかけ

た様に見えた。



(…旦那…もう一回キスして…ギュッてして…?うん…)


(あぁ…何度でも…)



End




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