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俺はベッドの中で悶々と考え込んでいた。
言い忘れていたが、俺が住んでいる廃墟は元ホテルで、そのため家具や寝具がそのまま置かれている。俺はその中の一室で暮らしている。
そこにおかれているベッドの上で考え事をしていた。
内容は、3ヵ月程前に俺に話しかけてきて、それから2日ごとに川原に来るようになった、変なあの女事だ。
何故俺はあいつと関わらないようにしないのだろう。何故避けれないのだろう。一緒に居ると心地良いと思っているのだろう。
俺が普通の人間でないことを知ったら、あいつは俺から離れてしまうだろうか。それでも、知ってもらうべきだと思っている俺。
自分が、意味分からない。矛盾だらけだ。
一緒に居るべきではないと分かっているが、一緒に居ることを望んでいる。
結局のところ、俺は知ってもらいたいのだろう。
百合の香りが、くすぐったい。
貴女だけに
あいつの笑顔が脳裏を過ぎった。
△ ▽
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