夕飯の雑談

「へえ、姉上に会ったんですか!」
「うん、素敵なお姉さんだったよ。また会えるかな」
「ぜひ遊びに来てください!きっと姉上も会いたがってます!」


夕飯を食べながら、今日あったことを話す。ちなみに今日の夕飯はカレー。人間の食べるカレーはちょっと憧れだったので内心嬉しい。スプーンで夕飯を食べ進める。
銀さんが脅すように私に言いつけた。


「お前な、遊びに行くのはいいけどよ。お妙の卵焼きは食べちゃ駄目だからな」
「卵焼き…?」
「アレはダークマターだ。食べ物じゃねェ。いいな、すすめられても絶対食べるなよ」


なんのことかあまりわからなかったけどとりあえずこくりと頷くと、神楽ちゃんがカレーを掻き込みながら言った。


「姉御は料理が出来ないのヨ。まっ黒焦げどころじゃないアル、凶器になるアル」


まっ黒焦げで凶器な卵焼き…想像出来ない。卵焼きすら食べたことないし。しかしお妙ちゃんは料理上手そうに見えるのになあ、とカレーを口に運びながら思う。


「あ、そういえば。にゃんこさん」


新八君が素朴な疑問を投げかけた。


「にゃんこさんの寝る場所、今日どうします?」


昨日は、銀さんがいつも寝ている座敷に寝かせてもらった。しかし、そうなると銀さんはソファで寝ることになる。今日の朝は銀さんがいてびっくりしたのよね。そのときのことを思い出し、顔が熱くなりかけて、ぶんぶんと首を振った。平常心、平常心。


「にゃんこさん?」
「あ、う、うん。どうしたらいいのかしら」
「押し入れに私と一緒に寝るアル!」
「無理でしょ!」


新八君が即座に突っ込み、神楽ちゃんの考えは即刻ナシに。むうと膨れた。私は押入れでも構わないと言いそうになって思いとどまる。もう私は猫ではないのだった。


「じゃあ、私ソファに寝るわ」


そう言うと、銀さんがスプーンをぴっと私に向けた。


「んなこたさせられねーよ。分かった分かった、じゃあこうすりゃいい。俺と一緒に座敷で寝る」
「もっと駄目だわァァァ!」


自信満々にこれしかないと言い切った銀さんに新八君が突っ込む。…私はそれでも…いいんだけど…って、そんな夢みたいなこと!首をぶんぶんと振って思考をなくす。すぐに拒否の意味で首を振ったと思われないかとハッとしたが、銀さんも新八くんも私のことは見ていなかったようで、そのまま会話を続けた。


「じゃあぱっつぁん。なんか他に良い案あんのかよ?」
「う…あ、じゃあ僕の家に住むとか!姉上もいるし!」
「はい却下ー。お妙みてーなゴリラやおめーみてーな童貞と布団を並べる方がよっぽど危険ですゥ」


顔を真っ赤にした新八君がぎゃあぎゃあと喚くが、銀さんは相手にしない。うるさいネ童貞、という神楽ちゃんの一言で新八君は赤い顔で震えながら黙り込んだ。
ところで童貞って何?


「他に良い案もねーから、それでいいな。大丈夫、変な事はしねーから。多分」
「…?分かった」
「多分って何だよ安心出来ないよ!ほらにゃんこさん首傾げちゃってるし!…神楽ちゃん!」
「オウ任せとけぱっつぁん!私が押し入れからいつも見てるからナ。何かしようとしたら私が一発食らわせてやるアル!銀ちゃん、変な事企んでも無駄アルヨ!」


なんだかんだで結局一緒の部屋で寝る事になった。わああどうしよう嬉しい!ビバ人間!興奮を紛らわそうとパクパク食べていると、いつのまにか食べ終わっていた。


back < | >
×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -