「理御ちゃんんんん!!心配したんだよォォォってどうしたのその格好!かっ、かわいいけどっ!似合ってるけどっ!」
銀さんと別れて、帰るなり近藤さんが頬を染めて抱きついて来ようとしたのでトシに隠れてさっと避けた。
そういえば、着物を大胆にも短く破いて、さらに髪をまとめ上げ、厚化粧だったんだ。自分の格好を再度見て、今になって少し恥ずかしくなる。こんな格好、あんまりしたことないし…
「ああこれ、あの…着物破ったの」
「そりゃ見りゃわかりまさァ」
「あの…なんか、高杉んとこでやられて」
「そりゃそうだろうねィ」
総悟が呆れたようにため息をつく。…つきながら、どこからかカメラを取り出し、構え出した。
「何撮ろうとしてんのバカ!」
「チッ、どさくさに紛れて、超激レア理御を撮って売ろうと思ったのによ」
「全くどさくさに紛れてないし!何企んでるの総悟!」
またさっとトシに隠れる。恐ろしい子…!!するとトシが振り向いて、まじまじと見始めた。
「…な、何よ。トシまで」
「い、いや」
「鼻の下伸ばしやがって、死んでくれねーかなー土方コノヤロー」
「伸ばしてねェ!!」
すぐに顔を背けるトシ。総悟が嫌そうに言った。またトシと喧嘩が起きそうだ。
…早く着替えよう。化粧も落としたい。疲れたし…まずお風呂だな。
「お風呂入ってくるわ…」
ぽつりとつぶやき、お風呂に向かった。
*
久しぶりにゆっくり入れる。ここ何日間かまともにゆっくりしていない。疲れをとろう。湯船に浸かって、目を閉じた。
「はあ…」
疲れた、とりあえず。
あそこから持ち帰ったのは、身につけていた衣服やかんざしと、嫌な思い出だけ。せっかくなら何か有益な情報を手に入れておけばよかったと少しだけ後悔。まあ、監禁されてたも同じなんだからしょうがないか。もう同じ失態は繰り返さないんだから、と心に決めて、ざぷっと頭まで沈んだ。
心も体もすっかり洗い流されて風呂から出る。体を拭いて、着替えようとした時、突然ガラリと扉が開いた。
「あ」
「ん?」
入って来たトシと目が合い、お互いしばらく固まる。ちなみに、あたしは着替える直前で、つまりすっぽんぽん。トシの顔がみるみる真っ赤になっていくのを見て、ようやく事態を理解し、ぎゅんっと風呂上がりの体が熱くなる。
「わ、悪ィ!!」
「キャァァァ!!」
「グハァ!!」
トシが吹っ飛んでいくのを見てハッとする。気がついたら渾身の蹴りをはなっていた。
「あああ!?ご、ごめんトシ!」
慌てて駆け寄る。トシは腹を抑えながらうずくまっている。あー痛そう!鼻血も出て…鼻血?
「い、いや!俺が悪かった!」
「うん!トシが悪い!」
「ハッキリ言いすぎだァ!」
「だってトシが悪いもん!でもごめん!」
「わかった、わかったからとりあえず服を着ろォォォォ!」
これまたハッとする。あたしすっぽんぽんじゃん!!そして迫って来る足音にも同時に気づいた。ザキだった。ザキが、立ち止まって凝視し、一秒後にブハアと鼻血を吹いたのだ。
「理御さんんんんん!?」
「てめっ、何ガン見してやがんだ見んなバカ!!ぶった斬るぞ!」
「ザキィィィ!?鼻血やばいよ大丈夫!?」
「お前はまず服を着ろォォ!」
そ、そうだ!服!駆け込み、扉を閉めて、急いで隊服に着替えた。髪も乾かさないままそこから出ると、扉の前に仁王立ちしていたのは、親友の美紀だった。
「ひ、久しぶり…」
「久しぶりね、じゃないわよバカ理御っ!」
スパァァアン!と素晴らしい音と共に、頭に衝撃。星がミエマシタ美紀さん。そのまま首根っこを掴まれて、ずるずるとどこかに連れて行かれるのだった。
お風呂場事件
帰って来てそうそう、ハプニング発生
銀さんと別れて、帰るなり近藤さんが頬を染めて抱きついて来ようとしたのでトシに隠れてさっと避けた。
そういえば、着物を大胆にも短く破いて、さらに髪をまとめ上げ、厚化粧だったんだ。自分の格好を再度見て、今になって少し恥ずかしくなる。こんな格好、あんまりしたことないし…
「ああこれ、あの…着物破ったの」
「そりゃ見りゃわかりまさァ」
「あの…なんか、高杉んとこでやられて」
「そりゃそうだろうねィ」
総悟が呆れたようにため息をつく。…つきながら、どこからかカメラを取り出し、構え出した。
「何撮ろうとしてんのバカ!」
「チッ、どさくさに紛れて、超激レア理御を撮って売ろうと思ったのによ」
「全くどさくさに紛れてないし!何企んでるの総悟!」
またさっとトシに隠れる。恐ろしい子…!!するとトシが振り向いて、まじまじと見始めた。
「…な、何よ。トシまで」
「い、いや」
「鼻の下伸ばしやがって、死んでくれねーかなー土方コノヤロー」
「伸ばしてねェ!!」
すぐに顔を背けるトシ。総悟が嫌そうに言った。またトシと喧嘩が起きそうだ。
…早く着替えよう。化粧も落としたい。疲れたし…まずお風呂だな。
「お風呂入ってくるわ…」
ぽつりとつぶやき、お風呂に向かった。
*
久しぶりにゆっくり入れる。ここ何日間かまともにゆっくりしていない。疲れをとろう。湯船に浸かって、目を閉じた。
「はあ…」
疲れた、とりあえず。
あそこから持ち帰ったのは、身につけていた衣服やかんざしと、嫌な思い出だけ。せっかくなら何か有益な情報を手に入れておけばよかったと少しだけ後悔。まあ、監禁されてたも同じなんだからしょうがないか。もう同じ失態は繰り返さないんだから、と心に決めて、ざぷっと頭まで沈んだ。
心も体もすっかり洗い流されて風呂から出る。体を拭いて、着替えようとした時、突然ガラリと扉が開いた。
「あ」
「ん?」
入って来たトシと目が合い、お互いしばらく固まる。ちなみに、あたしは着替える直前で、つまりすっぽんぽん。トシの顔がみるみる真っ赤になっていくのを見て、ようやく事態を理解し、ぎゅんっと風呂上がりの体が熱くなる。
「わ、悪ィ!!」
「キャァァァ!!」
「グハァ!!」
トシが吹っ飛んでいくのを見てハッとする。気がついたら渾身の蹴りをはなっていた。
「あああ!?ご、ごめんトシ!」
慌てて駆け寄る。トシは腹を抑えながらうずくまっている。あー痛そう!鼻血も出て…鼻血?
「い、いや!俺が悪かった!」
「うん!トシが悪い!」
「ハッキリ言いすぎだァ!」
「だってトシが悪いもん!でもごめん!」
「わかった、わかったからとりあえず服を着ろォォォォ!」
これまたハッとする。あたしすっぽんぽんじゃん!!そして迫って来る足音にも同時に気づいた。ザキだった。ザキが、立ち止まって凝視し、一秒後にブハアと鼻血を吹いたのだ。
「理御さんんんんん!?」
「てめっ、何ガン見してやがんだ見んなバカ!!ぶった斬るぞ!」
「ザキィィィ!?鼻血やばいよ大丈夫!?」
「お前はまず服を着ろォォ!」
そ、そうだ!服!駆け込み、扉を閉めて、急いで隊服に着替えた。髪も乾かさないままそこから出ると、扉の前に仁王立ちしていたのは、親友の美紀だった。
「ひ、久しぶり…」
「久しぶりね、じゃないわよバカ理御っ!」
スパァァアン!と素晴らしい音と共に、頭に衝撃。星がミエマシタ美紀さん。そのまま首根っこを掴まれて、ずるずるとどこかに連れて行かれるのだった。
お風呂場事件
帰って来てそうそう、ハプニング発生