「銀さん…!?」
「理御!お前ダイナミックに飛んで来たなァ」
髪型も服装も違うけど紛れもない銀さんだ。階段を登って来たトシも銀さんを見るなり驚愕する。
「てっ、てめーはァァ!」
「なんでここに!?」
「依頼をあの携帯依存性野郎から受けたんでやってたんだが…もう俺の仕事はシメーだ。こっからは俺の好きなようにさせてもらう」
あたしは、見廻組のやつらを銀さんと同時に斬ったらしい。とにかく銀さんは敵じゃないってことか…
バラバラバラという音と風がして振り向くと、見廻組のヘリコプターが武装して飛んでいた。ふと気がつけば見廻組に囲まれていて逃げ場はなく、これは罠にはまったなと思った。どうせあたし達を浪士ごと皆殺しにしようって魂胆だろう。唇をかむと、銀さんが話し出した。
「まァ待てよ。俺ァ何も真選組につこうってんじゃねーよ。どっちの味方も御免こうむるぜ」
そしてニヤリと笑う。
「来いよ鬼の副長。まずはてめーからだ。この攘夷志士白夜叉の首、とれるもんならとってみやがれい」
し…白夜叉…!?銀さんが…!?あまりの驚愕の事実にポカンとしていると、トシが笑い出した。
「ククク…ハハハハ!!佐々木よどうやらてめェ、とんでもねェ野郎を歯車に巻き込んじまったようだな。やめとけ、奴ァ…あの天下の悪ガキはてめェらの手に負えねぇ」
刀をまた手に取ったトシ。あたしはぽかんと固まっていたが、ハッとすると鉄に近寄った。
「鉄、今助けるからね」
「補佐ァァ…自分…自分は…」
「大丈夫、何もかも。だから安心して、…いって」
「え?」
どん、と屋上から突き飛ばす。鉄は空中に投げ出され、なす術なく落ちて行った。
「って理御何してくれちゃってんのォォォオ!?」
「いくってお前天国にかァァア!!」
「地獄に決まってんでしょォォ!!」
あたしも刀を抜き、三人でお互いを斬りかかろうと地面を蹴る。
しかし、違う。あたしは分かっていた。落とした先には、ザキと近藤さんがいたってことが!!
「人質確保ォォォオ!!」
「もう我慢はいらねェ!!大暴れしてやれェェェ!!!」
近藤さんの声を合図に、斬りかかる寸前でそばにあった大きい岩に標的を変え、ヘリコプターに向けて刀で思い切り撃ち飛ばした。
ドゴォオオオオン!!
ヘリに岩に命中したのと近藤さんが撃ったバズーカも命中したので爆煙と混乱が巻き起こった。あたしも爆煙にまぎれて見廻組の後ろにまわり、斬りかかる。
「ぎゃぁああ!!」
「きっ、斬れェェェ!」
「今髪が見えた!相手は副長補佐、女だ!!斬りかかれェェ!」
何人かの隊士が爆煙で見えないからと見境なく振り回してくるが、全てかわしたり刀で防いだりする。
「うっ…なんだこの女!!」
「女のくせに…バカ強ェぞ!!」
ニヤリと笑い、ザザザンッ、と連続でお見舞いしてやるとあっけなく倒れた。ざまあみろ、バラガキ舐めんじゃねーぞエリート様。
「見つけたぞォォ!あそこに女隊士が!」
「やれェェェ!」
あたしを見つけるやいなや、五人が刀を振りかざして走ってくる。不敵な笑みを浮かべた。
「来い、この副長補佐が相手よ」
「「うおおおお!!」」
襲い来る隊士達の手を狙ってまとめて回し蹴りをくらわせる。すると3人が刀を落とした隙をついて刀で斬りつけた。
「く…くそォォオ!」
3人か撃沈したが、残った2人が刀を振りかざす。斬撃を避けてまず1人、そして振り向きざまに斬りつけた。倒れた隊士の中には隊長格の人がいて、その服を剥ぎ取り頂戴した。白い隊服もなかなかイケるね。
自身を見ながら歩いていると、ものすごい轟音と共に一つの廃ビルが崩れ落ちた。誰がやったんだろう、派手にやったものだ。
佐々木さんを見つけた。何やら電話している。あたしと同じく見廻組の隊服を着た近藤さんとザキと合流し、背後から刀を突きつけた。佐々木さんは相変わらず表情を変えずに現状把握をする。
「恐らく見廻組に成りすまし突撃隊をだまし討ちにすると共に、ヘリの銃撃を見廻組に向け同士討ちさせたのでしょう。しかしなにぶん屋上の隔離空間で起こったことゆえ、査問委員会にかけても攘夷浪士による犯行であると言い逃れされる恐れがありますな」
あたしはニヤリと不敵な笑みを浮かべて口を開いた。
「さらには此度の私闘、挑発してきたのは真選組とはいえ先にしかけたのは見廻組です」
あたしの次にザキが続ける。
「我々の責任も問われるのは必定ですよ」
近藤さんが頷いた。
「どうでしょう、事件も解決した事だし何やら手柄もおいていってくれた事だし、今回の件は痛み分けという事でお互い不問に処し手を引かれては?」
そしてトシがとどめとばかりに睨む。
「いかがでしょうか、局長」
佐々木さんはしばらく沈黙していたが、無表情で決断をくだした。
「浪士達を捕縛しなさい。結構です、人質はくれてやりましょう。事件はもう解決されました」
そして携帯を閉じた佐々木さんの肩をトシがポンと叩いて歩いて行く。
「英断心より感謝いたしますよ局長」
「いえ…これからもお互い江戸の治安を護る者として頑張っていきましょう」
「ええ。せいぜいエリートの足を引っ張らないよう気をつけますよ」
「ご謙遜を…あなた達は立派なエリートですよ_____」
その続きを聞かずにあたし達は仲間のもとへ去って行く。
「_____悪ガキのエリートだ」
黒と白の決着
____これにて、事件解決。
「理御!お前ダイナミックに飛んで来たなァ」
髪型も服装も違うけど紛れもない銀さんだ。階段を登って来たトシも銀さんを見るなり驚愕する。
「てっ、てめーはァァ!」
「なんでここに!?」
「依頼をあの携帯依存性野郎から受けたんでやってたんだが…もう俺の仕事はシメーだ。こっからは俺の好きなようにさせてもらう」
あたしは、見廻組のやつらを銀さんと同時に斬ったらしい。とにかく銀さんは敵じゃないってことか…
バラバラバラという音と風がして振り向くと、見廻組のヘリコプターが武装して飛んでいた。ふと気がつけば見廻組に囲まれていて逃げ場はなく、これは罠にはまったなと思った。どうせあたし達を浪士ごと皆殺しにしようって魂胆だろう。唇をかむと、銀さんが話し出した。
「まァ待てよ。俺ァ何も真選組につこうってんじゃねーよ。どっちの味方も御免こうむるぜ」
そしてニヤリと笑う。
「来いよ鬼の副長。まずはてめーからだ。この攘夷志士白夜叉の首、とれるもんならとってみやがれい」
し…白夜叉…!?銀さんが…!?あまりの驚愕の事実にポカンとしていると、トシが笑い出した。
「ククク…ハハハハ!!佐々木よどうやらてめェ、とんでもねェ野郎を歯車に巻き込んじまったようだな。やめとけ、奴ァ…あの天下の悪ガキはてめェらの手に負えねぇ」
刀をまた手に取ったトシ。あたしはぽかんと固まっていたが、ハッとすると鉄に近寄った。
「鉄、今助けるからね」
「補佐ァァ…自分…自分は…」
「大丈夫、何もかも。だから安心して、…いって」
「え?」
どん、と屋上から突き飛ばす。鉄は空中に投げ出され、なす術なく落ちて行った。
「って理御何してくれちゃってんのォォォオ!?」
「いくってお前天国にかァァア!!」
「地獄に決まってんでしょォォ!!」
あたしも刀を抜き、三人でお互いを斬りかかろうと地面を蹴る。
しかし、違う。あたしは分かっていた。落とした先には、ザキと近藤さんがいたってことが!!
「人質確保ォォォオ!!」
「もう我慢はいらねェ!!大暴れしてやれェェェ!!!」
近藤さんの声を合図に、斬りかかる寸前でそばにあった大きい岩に標的を変え、ヘリコプターに向けて刀で思い切り撃ち飛ばした。
ドゴォオオオオン!!
ヘリに岩に命中したのと近藤さんが撃ったバズーカも命中したので爆煙と混乱が巻き起こった。あたしも爆煙にまぎれて見廻組の後ろにまわり、斬りかかる。
「ぎゃぁああ!!」
「きっ、斬れェェェ!」
「今髪が見えた!相手は副長補佐、女だ!!斬りかかれェェ!」
何人かの隊士が爆煙で見えないからと見境なく振り回してくるが、全てかわしたり刀で防いだりする。
「うっ…なんだこの女!!」
「女のくせに…バカ強ェぞ!!」
ニヤリと笑い、ザザザンッ、と連続でお見舞いしてやるとあっけなく倒れた。ざまあみろ、バラガキ舐めんじゃねーぞエリート様。
「見つけたぞォォ!あそこに女隊士が!」
「やれェェェ!」
あたしを見つけるやいなや、五人が刀を振りかざして走ってくる。不敵な笑みを浮かべた。
「来い、この副長補佐が相手よ」
「「うおおおお!!」」
襲い来る隊士達の手を狙ってまとめて回し蹴りをくらわせる。すると3人が刀を落とした隙をついて刀で斬りつけた。
「く…くそォォオ!」
3人か撃沈したが、残った2人が刀を振りかざす。斬撃を避けてまず1人、そして振り向きざまに斬りつけた。倒れた隊士の中には隊長格の人がいて、その服を剥ぎ取り頂戴した。白い隊服もなかなかイケるね。
自身を見ながら歩いていると、ものすごい轟音と共に一つの廃ビルが崩れ落ちた。誰がやったんだろう、派手にやったものだ。
佐々木さんを見つけた。何やら電話している。あたしと同じく見廻組の隊服を着た近藤さんとザキと合流し、背後から刀を突きつけた。佐々木さんは相変わらず表情を変えずに現状把握をする。
「恐らく見廻組に成りすまし突撃隊をだまし討ちにすると共に、ヘリの銃撃を見廻組に向け同士討ちさせたのでしょう。しかしなにぶん屋上の隔離空間で起こったことゆえ、査問委員会にかけても攘夷浪士による犯行であると言い逃れされる恐れがありますな」
あたしはニヤリと不敵な笑みを浮かべて口を開いた。
「さらには此度の私闘、挑発してきたのは真選組とはいえ先にしかけたのは見廻組です」
あたしの次にザキが続ける。
「我々の責任も問われるのは必定ですよ」
近藤さんが頷いた。
「どうでしょう、事件も解決した事だし何やら手柄もおいていってくれた事だし、今回の件は痛み分けという事でお互い不問に処し手を引かれては?」
そしてトシがとどめとばかりに睨む。
「いかがでしょうか、局長」
佐々木さんはしばらく沈黙していたが、無表情で決断をくだした。
「浪士達を捕縛しなさい。結構です、人質はくれてやりましょう。事件はもう解決されました」
そして携帯を閉じた佐々木さんの肩をトシがポンと叩いて歩いて行く。
「英断心より感謝いたしますよ局長」
「いえ…これからもお互い江戸の治安を護る者として頑張っていきましょう」
「ええ。せいぜいエリートの足を引っ張らないよう気をつけますよ」
「ご謙遜を…あなた達は立派なエリートですよ_____」
その続きを聞かずにあたし達は仲間のもとへ去って行く。
「_____悪ガキのエリートだ」
黒と白の決着
____これにて、事件解決。