あたしが戻ったときにはもう既に何もかも終わっていて、みんな集まっていた。みんなと言っても、近藤さんとトシと総悟、あとはちらほら動ける隊士がいる程度。あたしは手をさすりながら、小走りで駆け寄る。


「あ、理御が帰ってきやした」

「理御ちゃーん!大丈夫だったか!?」

「遅えぞ。もう片付いてんのに、どこ行ってやがった」

「ごめんごめん」


苦笑いをしていると、あたしを見るなりみんなが急に固まった。どうしたんだろう。


「なに?」

「理御、それ…」


トシに首を指差される。首にはなにもないけど…?


「?なにが?」

「…おい、てめー何してた。正直に言いやがれ」

「は?」


みんなからじっと見られる。高杉と会ったことだろうか。


「さっき、高杉晋助と会ったわ。逃がしちゃったんだけど…あ、そうそう。首筋噛まれたのよね。もっと攻撃して来るかと思ったのに、それだけで終わったから拍子抜けって感じでさ。なんだったのかしら」


最初の方は苦そうに言ったが、後の方はあっけらかんと言って首を捻るとみんなはすごい形相で迫ってきた。


「「なんだとぉおおお!?」」

「へっ!?な、なにが!?」

「高杉と会ったァ!?いやそれよりも、噛まれたって、理御っ!!」

「ぎゃぁああ、理御ちゃんがあんな野郎に汚されたぁああ!!お父さんは許しませんよぉおお!」

「え!?え!?噛まれただけじゃん!」


そう、噛まれただけ!首筋を!すると、総悟が首を振って近藤さんに言った。


「駄目でさァ、近藤さん。こいつ分かってねーや」

「理御ちゃんっ、それはキスマークって言うんだぞ!」


キスマーク。って、ええええええ!?


「え、あ、嘘!!キスマークってコレのこと!?」


今更ながら顔を赤くし、首を手で隠した。総悟が呆れたようにため息をつく。


「なに痕つけられて来てんでさァ…馬鹿か。理御は隙がありすぎなんでさァ」

「うう…ご、ごめん」

「つか、高杉あんにゃろー。理御に手ェ出すたァ、喧嘩売ってらァ」

「とりあえず、それ髪下ろして隠しとけ。…やってくれたな高杉…」

「理御ちゃんの貞操は大丈夫かぁあああ!!なんとしても高杉から理御ちゃんを守らなければ!!お前らァ!!理御ちゃんの貞操を守るぞぉおおお!!」

「「「ォオオ!!」」」


言われたとおり、慌てて髪を下ろすと首筋を隠すため、横で髪を結んだ。なぜか一致団結しているみんなを視界に入れながらも、不敵な笑みで去っていった高杉の事で頭はいっぱいだった。









(何してたんスか晋助様!)
(ククッ…ちょっと散歩をな)
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