某月某日、快晴。空からパンツが降ってきた。
…いやマジで。上から、ひらひらって。そして、俺の頭にうまくかぶさった。だから、正確には、それはなんだか分からなかった。ただの布かなと思ったが、それはまさかのパンツだった。

俺は自然と立ち止まり、固まる。なかなか良い匂いだったからだ。
…言っておくけど、俺は変態じゃない。断じて違う。これは事故だ。

パンツを頭から剥がすと、上から女の声がした。


「あっちょっとー!そこの変態!私のパンツ返せコノヤロォオ!」


言うなり、女は家のベランダの手すりに足をかけた。着物だってのに、ひらりと軽い身のこなしでベランダから飛び降りた。俺めがけて。


「って、はァアァ!?」


パンツの次は女が落ちて来たんだけどォォォ!
受け止める事も出来ず、俺に出来ることはとりあえず避ける事だった。
女は華麗に着地してパッと俺からパンツを奪い取った。


「この変態っ!殺すわよ!」

「いや変態じゃねーよ!落ちて来たのがわりーんだろ!」

「逆ギレ?サイテー!殺されたいのね!」


シャキーンと両手に持っているのは良く良く尖った鉛筆だ。指に挟んで、合計八本。刺さりそうマジで刺さりそう。てかなんでこんなの持ってるんだよ!


「落ち着こう!一旦落ち着こうか!」

「問答無用ォ!私のパンツをかぶった罪は重いのよ!」


至近距離からシャッと四本飛んで来る。避けようと思ったが、運悪く足を捻って前方に倒れ込んだ。


「おわっ…」


コケる!
そのとき、何かに捕まろうと、わたわたしていた手が何かを掴んだ。
むにゅん。


「…あれ」


なんとかコケるのは回避出来て、ホッとすると、強烈な殺気を感じて顔をあげると。
両手に掴んでいたのは、女の胸だった。
あ、ヤベえ。


「…よっぽど殺されたいようね…!」


死亡フラグ立った。


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