「銀時様!!」
新八にゴミ出しに追い出されて外に出ると、玄関で待ち構えていたのは、変態ストーカーのおなまえだった。うげ、と声を漏らす。
「うげ、だなんて嫌ですわ!私、銀時様が迎えに来てくださるのをずっと待ってました!」
「待てとか誰も言ってねーんだけど」
「昨日の夜から!」
「ここで日ィ跨いじゃったのお前ェ!!」
つくづく俺はなんでこんなやつにばっか好かれるんだろうか、甚だ疑問だ。見てくれはかなり美人でお嬢様なのに、中身が壊滅的に馬鹿なのだ、こいつは。ストーカーが一人増えて、毎日が煩い。どっかの雌豚みたいに、ドMじゃないだけマシだが。
「銀時様は今からゴミ出しですか?お供いたしますわ!」
「いやいい。全力でお断りします」
「さあゴミ出しへ行きましょう!」
「一人でいってらっしゃーい」
どんだけ辛辣に突き放したって、こいつの脳内では良いように変換されているらしく、こりないのだ。パンパンになったゴミ袋を押し付けると、おなまえはスンと匂いを嗅いだ。
「あら、このゴミ、銀時様の匂いがするわ」
「匂いでわかんのかよ!」
「こ、これは…!!銀時様が履いてたおパンツだわ!!」
「おパンツってなんだよパンツでいいだろ!あああだすな取り出すな!!」
「これ…!いただきますわ!!」
言うなり、パンツを頭にかぶりだしたのだ。くんくん匂いを嗅いで満面の笑み。その笑顔に危うく許してしまいそうになる。
「
うんまぁこれはギリギリセーフ、じゃねぇよ明らかにアウトだろお前マジ何やってんの頭おかしいんじゃねーの!」
いや笑顔はかわいいんだけど…!やってることがえげつない!!
「うふふありがとうございました銀時様っ!では私はこれで!」
「そのパンツをおいて行けコノヤロォォ!!」
どれだけ止めたって無駄で、おなまえは俺のパンツを頭からかぶったままスキップで去って行くのだった。
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