「鬼はーそとー、福はーうt」
「なにやってんだてめーは」
ビシッ。
副長に向かって豆を投げていたら、チョップされた。痛い。
「だって今日は節分でしょう?だから豆まきしてるんです。鬼はもちろん副長ですよ、鬼の副長だけに」
「うまいこと言えてねーからな。ドヤ顔すんな」
またチョップされた。副長はチョップがお好きらしい。頭をさする。
「またアホなことはじめやがって。散らかるだろ」
「大丈夫です、あとで隊士達全員で拾って食べるんで。年の数食べなきゃいけませんし…はっ、トシの数!?」
「意味わかんねェ」
そこに沖田隊長が現れ、私の持つお得用の豆の袋を奪った。
「楽しそうなことやってるねィ」
「豆まきですよ、沖田隊長」
「俺にもやらせろィ」
「いいですけど。豆、それだけなんであんまり一気に投げないでくださいね?」
「分かってらァ」
本当に分かっているのか、袋に手を突っ込みむんずと掴むと、振りかぶって副長にぶちまけた。
「鬼はー死ねー」
「いっ、いってェ!つーか掛け声違ェ!」
かなり痛そうだ。でも、私もやりたい!沖田隊長の持つ袋から豆を取り出し、副長めがけてさっきより強く投げた。びしびしと当たる。
「福はーうちー!」
「ちょってめェまで!」
「副長ーかわれー」
「やめろォォ!」
次々に豆を投げていると、すぐに袋はカラになった。沖田隊長の投げるのが早いんだもん!一回が多いし!私あんまり投げてないー!
「チッ、もうカラか」
「てめぇら…覚悟は出来てんだろうな…」
「えっなんスか土方さん、俺は豆まきしてただけですぜィ。それに発案者はコイツでさァ」
「え、私のせい!?」
「いいだろう、二人ともそこになおれェェェ!」
「きゃーっ!」
その後、必死で逃げて、副長の気が収まるまで、大変だった。もちろん、投げた豆はみんなで美味しくいただきました。
せつぶん
豆まきしようぜ!
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