カレンダーを、べりっとはがす。
大きなハナマルのついた今日という日を、俺はずっと前から楽しみにしていたんだ。


「ィィイイヤッフゥゥゥウ!」

「おい誰かこいつ黙らせろよい」

「無理だね、今日は。アソコ引き裂いても黙らないんじゃない?」

「いてェこと言うなハルタこっちがいてェだろ!!」


マルコになんと言われようが、ハルタが物騒なことを言っていようが、サッチが喚いていようが関係ない。
今日という今日だけは、特別だ。
高々と掲げたフォークを振り回しながら、朝っぱらから騒ぎ出す。ちなみに、今は朝食の時間だ。
部屋から朝食を食べに出て来るときから俺はすでにこんな調子だった。


「エース、うるせェな。今日は何があるってんだ?」


イゾウが迷惑そうに眉間にしわを寄せながら、席についた。マルコが呆れたように、それに答えた。


「エースの弟が海に出るんだよい」

「正解ーっ!マルコよく出来ましたッ!エライエライ、ハナマルあげるぜ!」

「果てしなくうぜえよい」


ボッと人差し指に小さく炎をともしてマルコを指差す。人差し指を折られそうになったから慌てて引っ込めた。


「そりゃ、めでてェし、喜ぶのも分かるけどよい」

「あまりにも過度だよね」

「ブラコンかっての」

「だってあのルフィが海に出るんだぞ!?海賊になるんだ!」


キラキラした目でみんなに言う。みんなは呆れながらも、顔は笑っている。みんななりに、祝福してくれてるんだと思う。


「今日は飲むぞーッ!」

「朝っぱらから!?」


だって、待ち望んでいたんだ。この日を。
ルフィは、どんな冒険をするんだろうか。どんな仲間に出会い、どんな経験を積むんだろうか。
いつか、この広い海でめぐり合ったときには、
また盃を交わそうぜ、兄弟!!




遠い海から見守っている

(願わくば、また笑顔で)
(いつか会おう)

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