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<Font Color="#0a0a0a">(砂糖がたっぷりと入った生クリームの甘味によってか多少は舌の痛みが引いてきて、少なくとも何時の間にか額に滲んでいた汗が引くくらいには落ち着いた頃、「楽しくなった」のだと、そう答える兄弟の言葉が聞こえてきて、はたと思い至る)(遊びだとか娯楽だとか、お祭り事や行事。兄弟がそういったイベント事には、とても疎い男だったと。それなのに、今日の為にセンパイと一緒に企画を立て、料理を作り、色々と準備をして…きっと、慣れないことに戸惑いながらも、頑張っていたのだろう。そして、成功した事を、とても喜んだのだろう事をを察したならば、先程までの怒りだとかがスッと消えてなくなり、後に残るのは「仕方ねぇなぁ」との、微笑ましい思いで) …そうかよ。まぁ、オメーが楽しめたなら、ソレで良いんじゃねーの?(ぶっきらぼうな物言いにはなってしまったが、心からの本心。風紀委員であり自他共に厳しい相手が、思考の固い相手が、「楽しい」と感じられたならば、それだけでも十分だなんて…我ながら随分と甘いもんだと、自嘲めいた笑みを浮かべてしまい。仕返しして良い、と手を広げる相手を見て、「なら遠慮なく」と告げ真正面から抱擁すれば、少々乱暴な手つきで相手の後頭部を撫でたあとに、頭頂部に顎を乗せて体重を預け) …オレはよぉ、本物の警察にだって捕まった事がねーんだぜ?ったく、後にも先にもオレに手錠なんざ掛けられるのは兄弟ダケだろーよ…あと、一週間の勉強漬けだったか?それ悪戯じゃなくて罰則じゃねーか。一週間オメーと過ごすなら、ンなツマンネー事じゃなくて別のことがしてー(シュークリームの怒りだとかは晴れたものの、ちょっとした嫌がらせも兼ねて、体重掛けたまま拗ねたような口調で別の事をブチブチと愚痴を。その間、右手は相手の背中やら首元やら手遊びに擽って、左手は逃がさないようにガッチリと腕を掴んでいる。暫くして満足したらしく、漸く相手の身体を解放したならば、片づけをすると背中を向ける相手を横目に、何処か面白くなさそうにフンと鼻を鳴らして。少し考えこんだ後に、帰って良いとの言葉を無視して居座ったならば、相手が用意しただろうチョコレートマフィンを手にとって齧りつき) 待っててやっから、一緒に帰んぞ…早く片付け終わらせねーと、全部食っちまうからな(言ってる傍から、あっと言う間に一個完食してみせれば、続けてもうもう一つに手を伸ばし…はてさて相手が片付けを終わらせるのが先か、此方がマフィンを食べ尽くすのが先か。いずれにせよ、相手が片付けをおえたならば、共に寄宿舎へと帰る事になるだろう)↓</Font>
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