何にも集中出来なかった授業はとても長くてソワソワした
何度、空の席を見てしまったのだろうか
選択科目から教室へと帰って来たらクラスメイトの女子が 牧先輩が名字さんに会いに来ていた と教えてくれた
しかも名前が牧さんを連れて何処かへ行ったとも
時計と睨めっこをして授業終了のチャイムがなるまであと1分
鳴ったと同時に科目担当の挨拶なんて聞く前に教室から走り出し、向かうのは牧さんのクラス
色々聞きたいことがあったはずなのに、いざ 牧君はいないよ なんて言われてしまえば頭は真っ白
というか頭の中は、先程まで何度も見てしまっていた空の席が支配した

名前も牧さんもさっきの授業にはいなかった

その事実だけが自分にのしかかる
何故 何処に ざわめく心が五月蝿い



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