案の定、放課後に多目的教室へ行くと目の前に居るクラスメイトから告白を受けた
どうしても生理的に無理な相手以外二つ返事で承諾する様にはしているので、今回も告白への返事はYESだ

好きだから付き合うのではない
信長に彼女が出来て暇だから付き合うのだ

そんな考えの私の返事に安堵して喜びの表情を浮かべる目の前のクラスメイトに申し訳ないなという思いが無い訳では無い
早速一緒に帰ろうという提案も受け入れた
多目的教室から下駄箱へと続く廊下を何気ない話をしながら歩くと、目の前から騒がしく登場した信長
部活の先輩達と何やら話している感じで私の存在には気がついて居ないみたいだったのだが、私の手がクラスメイト改め彼氏に掴まれた瞬間に目が合った
あーそういう事かと悟り、話しかけるでもなくそれ以降私の存在など気づいて居ないかのようにすれ違う信長は、その日の夜、部活終わりに私の部屋に来て

『別れたら教えろよ』

そう言って何もせずに帰っていった
また始まったこの期間がどれ程もつのかは分からないけれど

「振られないように頑張んなさいよ」

独りごちったこの言葉は本心で、少しでも長くあれと願った



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