雨が鬱陶しく気分の晴れ間もない日が続く中、私は清田信長という男に悩まされていた
明らかに気を引こうと近くで大きな声を出し、何やらちらりとこちらを見ては仲間内と話しをしている
たいていこの男が話してる内容はバスケの事か、自分が所属しているバスケ部の先輩たちの話である
そんな彼を気に留めるそぶりを見せずぼーっと外を眺める休み時間
この雨はいつになれば止むのだろう
気分が晴れぬこういう時はたいてい嫌なことが起こる

教室に騒がしく入ってきた男子が叫んだ
次の体育は室内でのバスケットだと
ちらりと向けられる視線の回数が更に増す
俺のカッコイイ姿をお披露目だなんて分かりやすすぎる視線に思わずため息が出てしまった
視線から逃れるため私は教室を出て保健室に向かった



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