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桜木軍団と晴子に藤井ちゃんに松井ちゃんと一緒に翔陽との試合開始を待っていると、海南だ 陵南だ とどよめいた客席
どよめきの方へ振り返ると陵南のジャージを身にまとった彰君の姿があった
彰君は私に気がついていないみたいで、バスケ部の皆と一緒にそのまま歩いていってしまう
その去っていく背中を見つめていると、なんだかそれが私の知っている彰君とは違う人みたいで寂しいなと思ってしまった
[本当にあの仙道と友達なのか?]
彰君の違いに気がついたのは私だけでは無いみたいで
[お前と歩いてた時とは別人みてぇだぞ]
私が彰君と帰宅している姿を目撃した三バカもだった
[実は仙道に似た別人だったりして!]
ガハハ と笑って一緒にいる三バカに心の底から否定出来ない自分が居ることに気がついていた
だから居心地が悪くなったその場を私は逃げるように離れて、初めて彰君と会った自販機に飲み物を買いに来ていた
「彰君は彰君よ」
そして自分に言い聞かせるように彰君の名前を呟き、彼が飲んでいたスポドリのボタンを押すと、ガコンと音を鳴らして落ちてきた缶をしゃがんで取り出す
しかし取り出し口にぶつけてしまい、つるりと手から抜け落ちたスポドリはコロコロと転がってしまう
最悪 とひとりごちりつつ自分のドジさにため息をつき、立ち上がろうとした時に視界に入ったスポドリ
『はい』
スポドリから視線を上げれば彰君が居た
立ち上がりスポドリを受け取る私に 初めて会った時と一緒だね と笑う彰君は、私の知る彰君で
「やっぱり彰君は彰君!」
何?どういうこと?? と首を傾げる彰君に、私の中にあった寂しさはどこかへ行ってしまった
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