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無事に購買で昼食調達を済ませると見慣れた背中がある事に気が付き、その背中に向かって駆け寄った

「ミッチーぃ」

見慣れた背中の持ち主は三井寿
個人的にはグレグレ時代の長髪より、更生時代の今の短髪さわやかミッチーが好きだ
(グレグレ時代のミッチーはなんかめんどかったし)

『お前なー、先輩に向かってなんだよその呼び方は』
「ごめんてミッチー」

アハハと笑う私に 何も分かってねぇな とミッチーは頭を抱えた

『お前、仙道と付き合ってんのか?』

屋上にてミッチーとパンを齧っていると、何度目ともなるかもうよく分からない程された質問をされた
どうやら3日前に彰君がこの湘北へ来た事はバスケ部員で知らない人は居ないみたいで

「彰君はお友達だよ」

早々にクリームパンを平らげて、屋上へ来る前に買ったいちごミルクを飲む

「ていうか好きってなに?」
『んだよ藪から棒に』

明らかに嫌そうな顔をするミッチーは ズズズズと飲み干したパックを握りつぶし

『嫌でもそいつの事考えるんだよ』

今何してんのかなーとか って空を見上げ太陽に手を伸ばした

「それは大変だね」
『んだよ、お前にとってのそれが仙道なんじゃねぇのかよ』
「何でそこで彰君?」

変なことを言うミッチーは マジでお前ら付き合ってないのか!? と驚くので

「だから彰君はお友達なんだってば」
『なら尚更お前そんな簡単にベタベタするもんじゃねぇぞ』

自分を大切にしろよ なーんて言うミッチーなんかお父さんみたい
だから目の前の背中に抱きついて 分かったよお父さん と言えば

『言ったそばからふざけんなよ!』

やっぱり何も分かってねぇな と怒られた


(ていうかお父さんてなんだよお前)



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