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をいお前昨日のは何だ!?

登校するなり三バカトリオがすごい勢いで近づいてきたので思わず、きっしょ! と叫んでしまったのは不可抗力だ
昨日のと言われても、はてさて何かしたかしら?と小首を傾げれば、高宮と大楠が手を繋いで歩き始める
それを指さし 昨日のコレだよ! と騒ぐ野間だが、ちょっと待て

「高宮が私って事無いよね?」

高宮が何やら食べる仕草をしてるからもしやと思ったら

[そうだけど?]
「おーし!その喧嘩買ってやろうじゃん」

納得いかないぞそれは
せめて私の真似をするなら大楠か野間であれ!

[そんなんはどうでもいいんだよ!]
[なんでお前、昨日仙道と歩いてたんだよ!?]

しかも手繋いで と高宮と繋ぐ手を見せてくる大楠に、本日2度目の きっしょ! をお見舞した
(これも不可抗力だ)
私の真似を高宮がした事を、そんなん扱いされたのは腑に落ちないが

[どういう事だ?]

いっつも遅刻する癖に、本日は無事にノー遅刻で現れた楓の顔が怒ってる気がするので、私の真似を高宮がした事はどうでもいい扱いしよう

「気になったから会いに行った」

そしたら家まで送ってくれるって言うから送ってもらった
その時転びそうになったの助けてくれて、危ないからってそのまま手を繋いで帰った
正直に全てを言うと、三バカトリオは お前ら付き合ってんのか!? と騒ぐので、それは違うと訂正する

「私と手を繋いでいたのはあれ、子供と手を繋ぐのと一緒のやつ」

転ばないようにというやつだ

[どあほうが]

鞄をドサッ!とすごい音を立てて置いた楓
お陰様でクラスメイトの視線は此方へ向けられているのにそのままいつも通りに机に突っ伏して寝ようとしているが、明らかに漂うオーラは怒っている

「何怒ってんのよ」

つんつんと突くと うぜぇ なんて言いながら手を払うのは意味わかんない
めちゃくちゃムカつくから もう絶交だ!ふんっ と机の足を思いっきり蹴ってやったら、顔を上げた楓が何か言った気がした

[三バカ行こっ!]

でもそんなの無視して教室を後にした


(大嫌いな数学なんてサボってやる!!)



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