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ガラリと体育館特有の重たい扉を開けると集まる視線が痛かった
耳に届く、仙道はまだ来ないのかという言葉から察するに、仙道という人を待っているのだろう
集まる視線は散り散りしたが、それでも全てが無くなった訳では無い
[要チェックやで!]
気がつけばノートを片手に1人の男が近づいてきた
そして私に何か言っているが無視して、私は私の目的を果たさせて頂こうと体育館を見渡すが、お目当ての人物が見当たらない
休みなのだろうか
陵南まで折角足を運んだのになんたるタイミング
「ねぇ、タレ目でツンツン頭の人知ってる?」
試合会場で陵南のジャージを着てたし、楓のあの態度からして部員である事は確かなはず
[やっぱり、スパイですやん!!]
「はぁ?」
私の質問を無視して騒ぎ出す目の前の男
なんだ?私が無視したからその仕返しで無視するのか??
てかスパイってなんだよと思ったけれど、確かに制服のまま他校にご訪問なんて偵察と思われても仕方がないのかもしれない
だからってスパイスパイって指さして騒ぐのめちゃくちゃムカつくんですけど
「ねぇ、君めちゃくちゃムカつく」
指される指を掴んだら、えええー!!って叫びながら顔赤くするのは何でよ
「知ってんの?知らないの??」
どっちよ!なんて何にも聞いてない目の前の男の指を掴む手を包み込む様に重ねられた手
『俺の事かな?』
背後に立つ人を見上げれば、紛れもなく転がるお茶を拾ってくれたツンツン頭の人だった
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