神奈川No.1になるのは俺だ という言葉が何度も頭の中を木霊する

『そう言った男は本当に神奈川No.1になる男だった』

恵まれた体格に、並外れたバスケセンス
実力は自分より上だったと認めざるを得ない程だと語る牧の顔を、私は脳裏に浮かぶ1人の男のせいで見れないでいた

『名字が神奈川No.1は俺じゃないと言った時、正直ドキッとしたんだ』

そんな私の心境など知らずに立ち上がる牧

『梵が生きてたら、神奈川No.1は俺じゃなかった』

牧から漂う空気は、私の喉を詰まらせた
上手く唾が飲み込めず噎せてしまうと、大丈夫か?と牧が近寄っては背をさすってくれる
大丈夫だと言いたかったが叶わぬ今、早くこの場から居なくなりたかった



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