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晴子に誘われて花道の試合を見に来た
会場に着くと桜木軍団と晴子はもう観客席に居て、桜木軍団が私の分まで席を取ってくれていた

「花道出てないの?」

もう既に始まっていた試合を見つめても赤い派手な頭は見当たらない

[ケンカの罰なんだと]

洋平が指さす方を見ると、花道に加え、楓までベンチに座ってるじゃないか
折角来たのにこれではつまらない

[名前ちゃん帰るの?]
「飲み物買ってくるだけ
晴子達は何かいる??」

晴子はお茶で桜木軍団はそれぞれ何か言ってたけど覚えれなかった

「アイツらはコーラでいいや」

小銭を入れようとしたら、晴子に買ったお茶を落としてしまった
コロコロと転がるそれは止まることを知らずに転がり続ける
そして最終的に背の高いツンツン頭の男の足元で止まった

『はい』
「ありがとう」

渡されたお茶は少し凹んでいた
晴子には新しいお茶を買えばいいと自販機へ戻ると、後ろには先程のツンツン頭

「時間かかるから先にどうぞ」

晴子用のお茶と桜木軍団分のコーラを購入しなくてはいけないので先に譲った
でも 気にしないで大丈夫 だという男は、私が人数分の飲み物を購入するまで待っていてくれた
おまたせしましたと頭を下げてその場を後にする
振りかえると、自販機で購入したスポドリを飲むツンツン頭の着ているジャージが陵南の物だと気がついた
確か前に練習試合をしたと聞いた高校の名が陵南だった気がする

飲み物を抱え騒がしくなっている会場に足速に戻る
ベンチに居た花道も楓もコートの中に居たのに、最終的に花道だけ見事に対戦相手の頭にダンクを決めて退場となった




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