昼飯を食べて眠気が強まる午後の授業
ちらりと名前を盗み見ると、珍しく名前は外を眺めて居た
いつもは真面目に授業を受けている名前なのに
何を見ているのだろうかと俺も外を見るが、あいにく俺の席からは青い空しか見えなかった

『暇なら練習見に来いよ』

本日の授業を全て終えて、ダメ元で名前を誘ってみた

「分かった」
『マジ!?』

いつもだったら俺を無視して教室を出ていく名前なのに、何故か今日は来る気らしい
俺様の努力の成果が少しは見えてきたと、早く行こうぜと体育館へと向かう足取りは軽い

ウォーミングアップを終えて実戦さながらの試合をする
得点を決めては名前にピースを送る
だけど彼女は笑うことも無くそんな俺を無視した
それでも良い
バスケが嫌いだって言った名前がこの場に居ることだけで俺は嬉しいのだ

1試合終えて休憩がてらじっと動かない名前の元へと行く

『俺様の華麗なるプレーどうだっ!』
「牧って人はどれ」

練習とは言えど俺様は手を抜かない と続けたかったのに、遮られた言葉は喉につまる
ごほんと咳払いをして牧さんを指させば何も言わずにヅカヅカと体育館を歩む名前
そして監督と何かを話す牧さんの前に割って入ったと思えば

「あんたが神奈川No.1なんて笑っちゃうわ」

確かに聞こえた言葉
お前何言ってんだ!って叫んだけど、名前や牧さんには届いたのだろうか

「あんたのプレーを見てると反吐が出る!!!」

いや、少なくとも驚き、唖然とする牧さんには届いてなかっただろう



| ▽

3 / 3




- ナノ -