目の前で繰り広げられている光景に苛立ちが募る
いつもは怖い顔してる皆がデレデレと女達と酒を騒ぎながら飲んでいる
俗に言うキャバクラという所が私は大嫌いだった
組員の人達が龍司さんや私と楽しくガヤガヤするのが好きなのは分かるが、定期的にキャバクラへご招待するのは辞めていただきたいのが本音
当たり前のように龍司さんの横は私が占領してるけど、隙あれば龍司さんの横に座ってやろうと様子を伺う怖いもの知らずの女が毎回最低1人は居るのが気に食わない
そして本日も例外はなく
そんな私を内心はらはらと見ているのは龍司さんで、酒の飲めぬ私のグラスに持参したココアをついでくれた

[ねぇねぇ、何飲んでるの??]

先程席を立ち居なくなったと思った女が1人帰ってきては、何故か私の横に座った
私は気がついている
なぜこの女が私の横に座って、こんなにも私に近づいてくるのか
私の腰に回る龍司さんの手に、自身の体を密着させる為だ
私に話しかけるフリして私の奥に座る龍司さんに視線を投げているのも気がつかない訳が無い
私は龍司さんの手を剥がし立ち上がる
突然立ち上がった私に龍司さんも組員さんも女達も全員驚いてこちらを見ているが気にしない

「貴女も飲む?」



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