目を閉じれば、なまえの顔が映る。
いつもくだらねぇことに笑い合って酒呑んで。
そんな何気無い毎日が確実におれたちの中で良い思い出になっている。
いつもおまえは恥ずかしさの欠片もなく、毎日おれに好きとことばをくれるよな。
ああ、おれも。
口に出せねぇ代わりに目を合わすだけ。
口に出さねぇ代わりに頭を撫でるだけ。
本当に言いたいことばは、喉に引っ掛かって出てこねぇ。
そんな自分が情けねぇとは思う。
いつも、おれだって想ってんのにな。
なまえのこと。
羞恥心が勝って言えねぇんだ。
でもおまえはきっと、そんな情けねぇとこもおれの想いの本当のとこも全部わかってくれてるはずだ。
言わなくても伝わってる。
そのことに甘えているおれのことも。
今日もなまえは好きと言ってくれた。おれに安心感を与えてくれた。
きっとこれから毎日続くだろう。
そんななまえに伝えてぇことがあるんだ。
まだことばに出しては言えねぇけど。
「ゾロ、好きだよ。」
こう言ってくれたあとに、たった五文字のことばを紙に綴って渡してやる。
【あいしてる】
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