どうやらここら辺の気候は春らしい。どうりでポカポカして眠いわけだ。春眠暁を覚えず…ってね。まあ今は昼間だけど。
「いー天気だなぁ〜。」
「そうだねぇ〜。チョッパーの毛皮も日干しできていいね。」
「そうだな。って脱げねぇからな。」
ログが溜まるのは今日の深夜。あたしたちはそれまで自由行動をしていた。
ルフィは昨日に引き続き探検、どうやらおもしろい森があったらしい。ナミとロビンはお買い物三昧、ウソップは武器の調達に、ゾロはまた勝手にお散歩。中でもサンジはこの島の豊富な柑橘類が中々珍しく良いものらしいので、食料は昨日買ったにも関わらずまた市場に嬉々と出掛けて行った。確かに昨日の柑橘類を使った地酒は美味だった。ちなみに夜ご飯のあとに出たデザートも絶品だった。天才サンジ。
そしてあたしとチョッパーは今の時間は二人で仲良く船番だ。
「にしても、この島は平和だから船番要らないくらいだね。」
「そうだな。おれこの島好きだなー。」
そう、この島は本当に平和だった。街の人たちは優しくて、海賊船が来たにも関わらず、お疲れ様なんて声を掛けてくれた。ありがとうございます。なんて返したら、飴をくれた。え、子ども扱い。
「…あ、そうだチョッパー。」
「ん?何だ?」
「はい、飴あげる。昨日いっぱいもらったんだ。」
飴をもらったことを思い出してポケットに手を当てれば目的のそれが入ったままで。
ほら、と片手いっぱいに取り出した色とりどりの飴に、チョッパーは分かりやすく喜んだ。うわぁ目がキラキラしてる。
「いいのかー?!でもゆずが貰ったものなのに、おれにくれていいのか?」
「あー…いいよ。あたし煙草吸うからあんま飴食べないし。」
「そっかー!」
あれ、いつもは煙草のこと言うと控えろよっ!ってプリプリキュートに怒るのに。やっぱりあれか、飴のおかげか。よしこれからチョッパーには飴をあげていこう。………餌付けじゃないよ。
しかし、こんな美味しそうに飴を食べてるチョッパーを見ると本当に癒されるな。
「……よしよし。」
「コンニャロ!子ども扱いすんじゃねぇよ!撫でられたって嬉しくねぇんだからな!」
「………ふふ。そうね、チョッパーは男の中の男だもんね。」
そう言うとより一層クネクネふにゃふにゃしだした。うん、可愛いよチョッパー。男だよチョッパー。
やる気のない船番。
(あ、サンジとウソップ帰ってきた。)
(ほんとだ。早かったな。)
(じゃあチョッパー、あの二人に船番押し付けて一緒に本屋でも行こっか。)
(うん行こう行こう!)
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