「オイ、島が見えたぞ。」
展望台から降りかかるゾロの一声でお昼寝してたルフィは飛び起きた。
そして改めて一声。
「しーまーがーみーえーたーぞー!ナミ!上陸できんのか?」
「えぇ。治安も良いみたいだし、買い物もしたいしね。」
「やりぃ!」
どうやら安全な島らしい。
平和主義のあたしとウソップは安心したように顔を見合わせた。
「良かったね。ウソップ。」
「おうよ!まあどんな島だろうとキャプテンウソップ様に怖いものはないけどなー!」
いつもの調子でそう豪語する彼を見て、平和ってこうゆうことを言うんだな…と浸ってしまう。
ごめんウソップ馬鹿にした訳じゃないんだよ。ありがとう平和を感じさせてくれて。
流石だよキャプテンウソップ様。
さっきよりだいぶ距離の近くなった島を見ると中々都会な感じ。活気溢れるキレイな街だった。船から見たときはそんなに大きな島には見えなかったんだけど、やっぱり近くで見ないとわからないもんだね。
緑も多いし、いい空気。ああ幸せそう。
各々上陸の準備をしていると、いつも船で寝ているゾロが珍しく起きていて。
ナミからお小遣いをもらうために列に並んでいた。
……今日も迷子になりに行くのかな。
「ゾロ、今日は起きてんだね。買い物するの?」
「あぁ…酒買おうと思ってる。」
「そうなんだ。それあたしも一緒に行っていい?」
この間の月見酒で二人でたらふく呑んだから酒蔵のお酒はほとんどなくなってて。いつも島につくたびに買いだめはしているんだけどね。月見酒が楽しすぎた。この島はもちろんお酒も売っているだろうし安心した。これで売ってなかったらまじて次の島まで持たなかったよ。
ゾロとはお酒の趣味が中々合うから呑んでて楽しい。いっぱい呑んでごめんよゾロ。美味しいお酒いっぱいあったらいいねー。
「お、ああ。行くか。」
ゾロのオッケーを貰って、やったあ、お酒選んでね。なんて言いながら船を降りる。
「じゃ、行こっか。」
にこり。笑って手を差し伸べる。こうしてたら迷子にならないでしょ。
ほんとゾロの方向音痴は困ったものだ。
「…!……ああ。」
ゾロは一瞬吃驚した顔になって少し考え、何故かサンジやルフィを見てニヤリ。
優しく手を握り返してくれた。
前は子どもじゃねぇ!って言って繋いでくれなかったんだけど、ほんっと、この人すぐ迷子になるからね。何で勝手にいなくなるのか理解できない。
散々はぐれるなって言ってからもだめだったからもう最近は手を繋ぐことにしてるんだ。
確かな独占欲。
((クソまりも!)ゆずちゃんそんなまりもよりおれと行こう!手を繋ごう!)
(ゆず〜!おれと冒険行かないのか?!サンジ海賊弁当は?)
(だーもーうるせー!そこに置いてあんだろ!)
(…今のうちに行くぞ。)
(…だね。)
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