平和に乾杯。 | ナノ





興味がねぇことにはとことん無関心なゆずは見ていて結構おもしろい。
普段歳の差なんて何にも言わねぇくせに、ちょっと酒が絡んだりからかったりすると、変に歳上ぶる。今までのおれならめんどくせぇとコックじゃねぇが一蹴して終わるんだが。
どうも気になる女には、そうもいかねぇようだ。
こんな邪念があったりしたらいつか足踏みしちまう、おれの夢は世界一の剣豪だ。前みたいに集中してトレーニングしねぇと。


「わ、ゾロたん今日は一段と頑張ってるぅ!」

「ぶっ!おま、変な名前で呼ぶんじゃねぇよ!」


心を入れ直した途端これだ。発想の斜め上発言をしながらやって来たゆず。ダンベル思わず落としちまったじゃねぇか!
くそ、今日も昼間っから酒を呑みやがって。いい具合に酔ってんじゃねぇか、………ちっ、おれもトレーニング終わったらゆずの酒恵んでもらうとするか。

酔っぱらいのゆずはどんなにプレミアな酒でも気前良く注いでくれる。いや、こう言うと少し誤解があるが、割りといつも旨い酒は一緒に飲もうっつって注いでくれるんだが。
注ぎかたがハンパねぇんだよな、今日みたいな場合は。


「ふふっ、ダンベル落ちちゃったよ〜。」

「誰のせいだと……いや、何でもねぇ、」


何がそんなにおかしんだ、酔っ払い特有の笑いかたしやがって。


「あと少しで終わるからその酒少しわけろよ。」

「んー、ふふふっ、いいよ〜。」


このことばを聞くだけで、この邪念があるのも集中できねぇのも許される気ぃすんだよな。










んー、いいよ。



もちろん日々トレーニングのノルマは守ってる。

おまえのためにも強くならねぇと…っつー気持ちもあるからな。

………なんだ、邪念があっても気持ちの持ち方次第だな。
別にあってもいいじゃねぇか、おれは世界一の剣豪になる男だ。






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