平和に乾杯。 | ナノ





異世界とか想像つかねぇ。
ただふしぎだなぁって思う。

たまに見るんだ、ゆずの消えそうな姿。
よく夕日を見ながらタバコ吸ってるとき。そこにいるのになんかぼんやりして、とっさに手をつかんじまった。
そしたらびっくりしたようにおれの方をみて、その顔はちょっとうれしそうにもみえた。
気がした。

前に月見酒ってのをしてたときもそんなことあったなーって。あのときはお互いへんな気分になっちまって、心臓がへんだった。
それはまちがいねぇ。


「なー、おれ、ビョーキなんかなー?」

「え、調子悪いの?」


ちょっと曇ってて釣り日和じゃねぇけど、ひまだったからゆずを誘っていっしょに竿を海になげた。
ぽけっとして、おれたちの間にはあんまり会話はなかったけど、そんな空気もすきだなぁって思う。


「悪くねぇけどわかんねぇ。」

「なんだそりゃ。」


くすくす笑うゆず。いつもは、にこって笑う顔が多いんだ。ちいさく肩をゆらすのがいいなと思う。
ナミとかロビンにくらべたらほんとに細っこいのに力があるってのもおもしれぇ。
いくら酒呑んでも腹が膨らまねぇし、その体のどこに入んだ?と思ってゆずの腹をさわったらサンジに蹴られた。
まじで意味わかんねぇ。
だって気になんだもんよ、しょうがねぇじゃねぇか。
また同じことやったら次はナミにげんこつくらった。もうしねぇと誓わされた。
ゆずはくすくす笑ってたからおこってねぇのにな。


「何で調子悪いって思ったの?」

「ゆずはふしぎ世界からきたからへんなんだなーって思ったらおれもなんかへんな感じになったから。」

「ちょ、変って!なにそれ?!」


あ、この笑いかた久しぶりにみた気がする。
顔くしゃくしゃにして笑うとこもやっぱりいいと思った。









わかりづらい。


わかりづらいのは、へんなのはおれだけなのかも。

わかりそうでわかんねぇ、でもすきだなぁって思う。

んー、やっぱりよくわかんねぇ、はらへった。






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