平和に乾杯。 | ナノ





天気は良好らしい。


窓から射し込むサンサンとした太陽と、ほのかに香る朝ごはんのいい匂い。
そして時折聞こえる仲間の笑い声に、脳の覚醒を促された。


ガバりと起きて、身支度を整えてからキッチンへと歩く。
寝起きは悪くないんです。

さあ、今日も1日平和でありますようにと願いながら。




「おはよーゆず。あんた二日酔い大丈夫?昨日いつもにまして呑んでたわよ。」

「…ん、おはよナミ。ちょっとダルいけど大丈夫ー。」



確かにいつもより体が怠いと思ったら。そうだ昨日は月がキレイだったからゾロと月見酒してたんだった。
ふとゾロを見ると、いつも通りの様子。なんだよアイツあんなに呑んだに。これだからザルと呑んだら呑み過ぎちゃうんだ。
ジと目をゾロに向けると怪訝そうな顔された。チッ、おはよう。



「おっはよーゆずちゃ〜ん!今日も君は寝起き顔もかわいい!!おれは今日も頑張れる!!さ、あと少しで朝飯の準備ができるから、ちょっと待っててね〜ん。」


まだ少し寝ぼけ眼のあたしを見て、いつものようにラブハリケーンを発動させるサンジ。さっきの舌打ちは彼の中のレディ専用(ラブ)ファインダーにかかって聞こえなかったみたい。何ともだらしない顔。それももう慣れた光景だ。



「ん、おはよ。じゃあ待ってる間一服してくる。」


ん、とサンジの胸ポッケから煙草を拝借するために彼のネクタイを引っ張り接近する。
横着な行動でごめんなさい。サンジの顔が、息の掛かる近距離になって。ふわりと、朝食のいい匂いが鼻を掠めた。


「タバコ部屋に忘れちゃった。一本貰うね。」


と言ってサンジを見る。あ、目を見開いて固まってる。顔も赤い。おいおいどうした。
ごめんよあたし動くの面倒とか思って引っ張ったりしたから苦しかった?
……それとも照れてしまったのかしら。……まさかね。



「…っ、ゆず、ちゃ、」


「ん?ああごめん苦しかった?」

「え、いや、」

「一服ついでにルフィとチョッパー呼んでくるね。」



何かを言い掛けているけどドモってよくわからない。とりあえず一服してきます。
ああでもチョッパー最近タバコ控えろって言ってくるんだよね。サンジには言わないくせにさっ。
ルフィは煙草の煙で輪っか作れってうるさいし。寝起きの一服は静かに吸わせていただきたい。よし一服する前に前に呼んでこよう。


そう決めて、サンジにもらったタバコをくわえて陽射しが眩しい外に出た。

うん、今日も絶対いい日になる。





キッチンが出たあと、こんな会話がされているなんて露ほどもしらない。



「これだからうちの男どもはダメなのよ。ほらサンジくんいつまでも呆けてないで!」

「ふふ、詐欺師さんったら天然タラシね。」

「…〜っ!」

「…けっ。おいいつまで座り込んでんだダーツ眉。さっさと飯の準備しろよ。」

「………〜〜〜〜っ!!うっせぇクソ剣士!」









平和な朝。

(あ、ルフィ、チョッパーおはよう。今呼びに行こうと思ってたの。もう少しでご飯だよ。)

(よっしゃメーシー!ゆずも行くぞー!)

(へ、いやあたし一服してから…!はっ、チョッパー!)

(ゆず、少し控えろって。こないだ言ったばかりじゃねぇか。)

(…はーい。)







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