「ちょ!あんたこれ!どうしてこんな大金持ってるの!?」
吃驚しながら、目をベリーに変えて、ナミが鼻息荒く聞いてきた。ちょ、ナミ落ち着いて。せっかくの美人さんが台無しだよ!?
「カジノで勝ったお金。どうぞお納めください。」
「勝ったって額なの?!軽く100万ベリーはあるんだけど!」
「うそまじで。」
そんなに勝ったっけ?!
絶対何かの間違いだ。
「…ま、いっか。ナミ、せっかくだしこの船のお金として受け取ってよ。」
考えてもわかんないし。あればいいに越したことはないし。
明日あたしのベッドも買わなきゃだから少しでも還元できたらいいなーと思ったのに余裕でお釣が出るな。
「ゆず〜っ!あんたなんていい子なの!」
「ぐぇ。」
はい、全部どうぞ、好きに使ってーと言えば、ナミは目がうるうるしてた。感動も露にガバリと抱き付いてきて。
あの、豊満な胸が苦しいんですけど。押し潰される!でもちょっとラッキー。貴重な体験した!なかなかないよ、こんな巨乳に押し潰されるのって!
部屋で荷物の整理も落ち着いた時、タイミング良く宴の準備が整った。
大きなテーブルに沢山の美味しそうな料理、樽ジョッキにテンションが上がる!なんかおしゃれでいいよね。
「ほんじゃあ、新しい仲間が増えたことに…かんぱーーい!」
「わーい、かんぱーい。よろしくー!」
ルフィが高らかに音頭をとってくれて、勢いよく重なるジョッキたち。
初っぱなから、男の子たちの食べっぷりに(主にルフィだけど)びっくりした。サンジの料理に感動して。この世界でのお酒をグイグイ飲む。
元の世界とあまり変わらないお酒の味に少し安心する。特にビールは少し甘みがあって、かなり美味しい。
「船長がああだから、私たちの船はいつも金欠なのよ。」
「はは、お金の大半が食費ってすごいね。」
多分これからあたしの酒代もかなりのものになると思います!(ナミが怖くて言わなかったけど。)
それから更に宴は続く。
サンジの料理がまだまだ出てきてこれがまた焼酎に合う合う。最高。
しかもくるくるしながら器用に持ってくる。あれすごい。
ルフィたちの鼻つまようじに涙が出るほど笑ったり。ゾロと利き酒勝負したり、チョッパーを抱っこしたり。ウソップの嘘武勇伝を聞いたり。
ナミは楽しそうに呆れて、あたしとロビンは顔を見合わせて笑い合った。
こんなに笑ったのは久しぶりだ。みんな初めて会ったのに、こんなに歓迎してもらえて、あたしは心から感謝した。
「そういやゆずは、どこの海の出身なんだ?」
みんなのテンションがだいぶ落ち着いた頃。
ふと、そんな疑問を投げ掛けてきたのはウソップだった。
あ、そういえば、言ってなかったな。
「異世界から来たんだよ。」
そう何てことないように普通に言えば、みんなの動きがピタリと止まって。
誰かが落としたスプーンの、カシャン…という音がやけに響いた。
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