平和に乾杯。 | ナノ





とりあえずどうにかしなきゃ、でもどうにかって何をどうすればいいの…?自問自答を繰り返す。



「チッ何だよ何もねぇな。」

「せっかく気合い入れてきたっつーのにクソつまらん船だ。まぁとりあえずさっさとナミすゎんへのお土産を物色してこよ〜っと。」

「つっまんねー。お、そうだ肉あるかな〜!おいゾロ!肉探せ!あと酒も!」


どうすることもできず、ただうろうろと足踏みしてた時、どこからか声が聞こえた。

男の人だ、何人かいる!


とにかくこの状況を、あたし一人じゃ理解できない。周りの声が必要だ。お願い、変な人じゃありませんように。
テンパりながらもどこか冷静な頭で、あたしは一歩踏み出した。


「あ、…!?」


声の主たちを見た瞬間、何となく安心できた。
あ、あたし助かるって。
こんな時も強運ってあるんだ。それだけは自信があったから。
だから、だから、貴方の太陽みたいな笑顔を見た時は、柄にもなく安心しちゃったんだ。


「うお!人がいた!」

「何だテメェ…この船の一員か?」

「メロリ〜ン!!!!何て可愛らしい人なんだ!!」



三者三様の反応を見た後あたし固まった。

見たことある。
麦わら、緑色、ぐるぐる眉毛。


あれ、この人たちって…確かマンガの人じゃない?


「…あたしまだ夢見てるのかな。」


そう言って思考を意図的にシャットアウト。
だってこれが夢じゃなかったら、彼らは海賊の漫画に出てくるキャラクターだよ?はは、意味わかんない。


「なんだおめぇこの船のやつか?」


純粋に、まっすぐ聞いてくるのは麦わらの彼。
たしか、ルフィと言う名前のキャラクター。


「…………う、ん、」


そんな彼に話しかけられて、何とか返事を返した自分を誉めてやりたい。


「こんなでけぇ船に1人で冒険してたのか?」


何で。あたし今。この人に話しかけられてるの?

――――夢、じゃないの?

そんな考えがぐるぐる回っている。


「なぁ、おまえ1人か?」

「………え、いや、うん、そうなのかな?」

「んだよ、はっきりしねぇな、」





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