平和に乾杯。 | ナノ




何だか暗い微睡みの中にいた様な感覚から、パチッと意識が戻ったような感覚。


「……あれ、ここ……どこ?」


ほんとに此処は何処だ。つーかデジャヴだ。
……そうだ峰さんは、?


「あ………、」


そう、峰さん。
手を引いてあたしを先に船に乗せた。と思ったら、何故か峰さんは乗れなくて。
乗りたいのに、何故か船に足がつかない。
まるで、船が峰さんを拒否しているような、そんな感じだった。

それを見てあたしも焦って、船を降りようとしたら何故か今度はあたしが降りれない。

意味もわかるはずがなくただただパニックで。


(……船に、引っ張られた、みたいな感じだった…?)


そこから何故か真っ暗になり、意識が朦朧。立てなくてあたしは座り込んで…って。
そこまでしか覚えてない。

最後に峰さん、何か言ってた。

やはりゆずちゃんだけじゃなければ行けないのか…?

って。


「……、どうゆう事なの……。」

ジッとしていても仕方ない。

あんまり気は進まないけれど、そろりと腰を上げて立つ。

一瞬立ちくらみがして足音を立てそうになったけれどなんとか踏ん張れた。

あたしが居る部屋を出てみると、目の前に映るのは真っ青な海。一面、海。

……ん?海だ。

いや海なのはおかしくない。
だって船は海岸に止まってたから。


あれ、でも、太陽がまぶしい。

「今って……夜じゃなかったっけ……。」


目の前に広がっている、真っ青で綺麗な海。眩しい太陽。
明らかに、真っ昼間だ。


よし、落ち着け自分。
こんな時は深呼吸だと誰かに教わっていたはずだ。吸って、吐いて、吸って、………って落ち着けるかこのやろう。


そうだ、ひとつずつ思いだそう、そうしよう。

まず今日は学校に行った。
それから同伴だから峰さんに会って。
車に乗ったら知らない間にマカオみたいな島に着いて。
きらびやかな電飾にテンションが上がって。
スロットで勝って買い物して。
船のある海岸に連れられて。
ライトアップされた船がきれいで、乗せられて。あ、やっぱり夜だったよね。




あれ、あたし、そんなに寝てたの?



わけがわからない。
夢なら早く覚めてほしい。






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