「くぅああ!勝った後のビールはたまらないですね。」
「ゆずちゃん、すごい強運だね……。」
はい、たんまりとカジノを満喫しました。(勿論勝った。え、金額は言えないよ。)あとついでにバニーガールちゃんも堪能しました。かわいいよバニーガール。お酒もより一層美味しいよバニーガールありがとう。
換金したお金は何故か日本円ではなかった。峰さんに聞いても「それは、円でなくてベリーと呼ぶんだ。」と、ちょっと違った返事をされたんだよね。リアルにここ日本じゃないんじゃないのかと。峰さん完璧主義者だからかなあ。まあいいか、有り得ないほど勝っちゃったし。お金には代わりない。
このプライベートタウンは、沢山のあたし好みな服も売っていた。うーん、あたしをモデルにしたって言葉は嘘じゃないんだね。
それと、服を買うにもこのベリーってお金を使うらしい。使い方は日本円と同じで、硬貨が紙になったくらいだった。良かった分かりやすくて。でもなんか子ども銀行?おままごとみたいで非現実的。
「沢山買ったね。いい物はあったかい?」
「はい!峰さん、こんな素敵な街に連れて来てくれてありがとう。」
「はは、いいんだよ、ゆずちゃんに喜んでもらえて光栄だ。」
「本当に何と言ったらいいか…。やっと今峰さんが社長だったんだなあって思っちゃいました。」
「君は本当に面白いことを言うね。」
本心だったんだけど今の失礼だったかな。だって峰さんいかにも社長!って感じじゃないんだもん。まあいいや、峰さん笑ってるし。
それにしても沢山買いすぎた。日常で使うトップスやらスカート、何故かこの街にはオールシーズンの服が売られていて。毛皮のコートやら、ブーツにサンダル、ランジェリーまでもう来年まで服要らないってくらい買ってしまった。だって本当に全部あたし好みなんだもん。それに一回言ってみたかったんだ。
この棚からあっちの棚までの物、全部くださいって。
夢が一つ叶っちゃった。
買い物の余韻に浸っていい気分。ベンチに座って少し一休み。
一服終えたところで、峰さんは改まったような顔で言ってきた。
「…さぁ最後に君にきてもらいたいところがあるんだ。」
にっこり。峰さんはあたしを見ながら手を差し伸べた。
それはとても自然な動作でいやらしさがない。だからいつも安心して手を重ねられるんだよね。
「はい。連れていってください。」
そう言ってあたしは峰さんのエスコートの元、少し先にある階段を何となくワクワクしながら登って行った。
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