平和に乾杯。 | ナノ





気候はまだまだ冬真っ只中。肌に刺さるような朝独特の寒さは一向に慣れることはない。ふかふかのお布団は先日干したばかりだからかいつもより心地良さを増していて。普段寝起きは悪くないのにも関わらず、どうも今日はなかなか起きれそうにない。お気に入りの低反発の枕が、あたし自身を底に沈めるような感覚にうっとりとする。


とは言え、一度目が覚めたら二度寝できる感覚も襲ってこなくて。
隣で布の擦れる音と潜めた話し声が聞こえたから同室のナミとロビンは起きているのだろう。

「フフ、おはよう、今日は一段と冷えるわね。」


うっすらと目を開けて彼女らを確認するとタイミング良くロビンと目があった。布団の隙間から流れてくる冷やい空気を肌で感じ、いくらか覚醒する。


「おはよう、ロビン…ナミ。」

「おはよ。わたし先に進路見てくるから。ついでにサンジくんにホットコーヒー淹れてもらうわね!」


朝からハキハキと動く航海士を尊敬の眼差しで見て、ようやく自分も心地いい空間から抜け出した。


キッチンに行くと出てきたのはホットコーヒーではなくて。薄い黄色のお茶だった。特に気にすることはなくそれを口に付ける。寝起きに飲む温かいお茶が身体中に染み渡る。じわりと熱が浸透していって、なんだかほっとした。からだの中からぽかぽかとするのはしょうがが入っているからからだろうか。うん、さすがサンジ。


「今日は大寒だからジンジャーティーにしたんだ。おきに召しましたか?」


なるほど。どうりで今日はいつもより布団が恋しかったわけだ。


「うん、美味しい。ありがとう。」


ジンジャーティーもそうだけど、こうやってその日によって変わるお茶に、心が暖かくなった。








中から暖まる。


寒いから余計に暖かいのが美味しく感じた大寒の朝。



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