どこまでも青い海を見ていると、心が洗われるような気がする。
気温は低いけれど雲ひとつないよく晴れた空、澄んだ空気。すっかり嗅ぎ慣れた潮の匂いにうっとりとして目を瞑る。
海面にはキラキラと光る魚たちが大群で游いでいて。甲板ではお子ちゃまトリオがあたしには理解できない遊びをしている。楽しそうだからよし。ゾロは相変わらず寝てるし、ナミとロビンとサンジくんは優雅にお茶している。
そんなみんなを見ると平和だなあと幸せに浸る。
「ゆずー、干し終わったー?」
今あたしはベッドシーツを干していて、その姿を見つけたナミが下から覗きこむように声を掛けてきた。パンパンと軽く叩いて、終わったよー、と返してタバコに火を点けながらみんなのとこに戻る。はあ、一仕事終えたあとの一服は美味い。
「わたしたちの分までありがとう。」
「ぜーんぜん。」
「お疲れさま、ゆずちゃん紅茶でいい?」
「うん、ありがと。」
ナミたちのところへ行くとサンジがさっそくお茶を淹れなおしに行ってくれる。
最近はほんとに寒かったから、みんな室内に閉じ籠っていて。今日みたいに全員が外に出ているのは久しぶりだ。
まあ今日も寒いといえば寒いんだけどね。ジャケットを着れば問題ない寒さだし。
「よし、航路も順調、天気も良好、波も穏やかだししばらくはゆっくりできるわね。」
「えー!つまんねぇ、はやく次の島に着かねぇかな。」
ナミのことばに不満を言うのはもちろんルフィで。
穏やかな航海にケチをつけるのが彼らしくて思わず笑ってしまう。
「なんだよ、ゆずもはやく上陸してぇとおもうだろ?」
「あー、うん。そうだね。」
上陸もしたいけどね。
ほら、今日みたいにみんなが自然と甲板に集まる穏やかな航海も、幸せだから。
自然に。
だから上陸はもうちょっと先でもいいかなって思うんだ。
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